大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。
先立つ治療を少なくとも1回経ている骨髄腫へのJ&JのCarvykti使用を欧州も承認
 ・ BMSのBCMA標的CAR-T・Abecmaの欧州での承認について短く追記しました。
デングウイルスやジカウイルスを阻止する細菌をヒトスジシマカの腸から同定
 ・ 関連ニュースを追加しました。

皮膚が剥がれ落ちていくミステリアスな致死性疾患の原因が突き止められた

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2005-11-22 | コメント

5年前に、オランダで生まれた赤ちゃんを死においやったミステリアスな皮膚疾患の原因が解明されました。


生まれてすぐに、この赤ちゃんの皮膚は水ぶくれし、剥がれ落ちはじめました。赤ちゃんは、皮膚が少なくなりすぎて十分な水分を保持することが出来ず、生後10日で死亡しました。

赤ちゃんの皮膚は広範囲に剥がれ落ち、剥がれ落ちた部分からは体内の肉が見えていました。皮膚だけでなく、髪の毛や爪も剥がれ落ちました。

Marcel Jonkman氏とその同僚の話を聞いて、マンチェスター大学のDavid Garrod教授は、皮膚の土台となる構造が障害されてこの症状が起きたと考えました。

彼は皮膚や内臓の細胞を繋ぐ糊のような役目をするデスモソームの研究をしており、赤ちゃんの症状は、デスモソームに結合して組織の構造や強度をサポートするdesmoplakin(デスモプラキン)の障害により生じた可能性が高いと考えました。

Garrod教授は自身の考えをオランダのMarcel Jonkman教授とその同僚に伝えます。

Jonkman氏が研究室に帰って詳しく調べた結果、Garrod教授の指摘通り、確かにdesmoplakinが赤ちゃんの症状の原因であることが判明しました。

この赤ちゃんの両親は共にdesmoplakin遺伝子に変異を有していました。すなわち、この両親からは1/4の確率で2つのdesmoplakin遺伝子のどちらにも変異を有する子供が生まれてきます。

医師は、この赤ちゃんの症状を致死性棘融解性表皮水疱症(acantholytic epidermolysis bullosa)と呼んでいます。致死性棘融解性表皮水疱症は表皮水疱症 (EB) の一種です。英国ではおよそ5000人がEBを患っていると考えられています。

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