大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。
先立つ治療を少なくとも1回経ている骨髄腫へのJ&JのCarvykti使用を欧州も承認
 ・ BMSのBCMA標的CAR-T・Abecmaの欧州での承認について短く追記しました。
デングウイルスやジカウイルスを阻止する細菌をヒトスジシマカの腸から同定
 ・ 関連ニュースを追加しました。

男の子を1人育てると母親の寿命は34週間縮まる

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2002-06-02 | コメント

「フィンランドの教会に保管されていた中世(1640年から1870年)の資料を掘り返して女性の寿命と出産の記録を調べたところ、母親の寿命は男子を1人産むごとに34週間短くなっていた」という結果が、フィンランドのトルク大学の研究者等によって2002年5月10日のScience誌に発表されました。


この調査の結果、不思議なことに、男子を産むと母親の寿命は短くなったの対して女子を出産すると寿命が長くなく傾向がありました。

この研究結果について、トルク大学の研究者等は「男子は子宮の中での成長が女子より早く、出生時の体重が女子より重くなる。その結果母親の身体的な負担が女子より重くなり、寿命が短くなる」と論文の中で説明しています。

また、その他の可能性として、男子が子宮の中で成長する時に分泌する男性ホルモン・テストステロンが母体に悪影響を与えているのではないかという仮説も考えられています。

男子は子宮の中で成長するときに自らテストステロンという男性ホルモンを分泌して生殖器官などの男性に特有の器官を発達させます。このテストステロンは生殖器官を発達させる作用以外に、免疫力を低下させる働きがあります。

つまり、子宮で成長する男子から分泌されたテストステロンが母体の免疫力を低下させ、寿命を短くした可能性があるのです。

この調査の対象は今から300年から100年前の近代化前の時代の母親達です。したがって、この調査結果が医療や食生活が充実した現代にそのまま通じるとはいえないようです。例え男子を産もうとも、その後食べ物や健康に気を使えば、女子を産んだ場合と比較して極端に寿命が縮まるということは考え難いからです。

とはいっても、調査の結果から判断して、出生時には男子は女子より母親に負担をかけていることは間違いないようです。

多分10人中9人の母親は「出産の時のことなんかどうでも良いけど、生まれた後のあなたの面倒みることの方がよっぽど寿命が縮まる思いだったわよ」という感じでしょう。

母親の寿命を縮めるという罪を生まれながらに負ってしまった男子。今日はとびっきりの愛情で母親をリラックスさせて上げましょうね。

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