ビタミンB6の食事摂取でパーキンソン病リスクが減少する
Free!ホモシステイン濃度の上昇は、細胞毒性作用により、パーキンソン病(PD)のドーパミン作動性細胞死を促進すると考えられます。したがって、ホモシステイン代謝の共同因子である葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6を食事で摂取することで、血漿ホモシステインが減少し、PDリスクが低下する可能性があります。
さらに、ビタミンB6は、ホモシステイン代謝とは関係なく抗酸化作用とドーパミン合成を助ける働きを介してPDリスクに影響を及ぼす可能性があります。
55歳以上の人を対象にしたプロスペクティブ・集団ベースのコホート試験(Rotterdam Study)に参加した被験者のうち、試験開始時に食事内容が評価され、痴呆およびパーキンソニズムが認められなかった5289人を対象にして、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6の食事摂取とPD発生リスクの関連を検討した結果が2006年7月25日のNeurology誌に報告されています。
頻回の対面診察が実施されると同時に、医療機関の記録を継続的にモニターすることでPDが評価されました。
平均9.7年のフォローアップ後、72例にPD発生が認められました。
研究の結果、ビタミンB6の食事摂取量の高さがPDリスクの有意な低下と相関していました(標準偏差ごとのハザード率0.69(95%信頼区間0.50‐0.96)、上位1/3対下位1/3 0.46(0.22-0.96))。層別解析の結果、この相関は喫煙者に限定されていました。
葉酸とビタミンB12の食事摂取にはPDリスクとの関連は認められませんでした。
この研究結果から、ビタミンB6はホモシステイン代謝とは無関係の機序を介してパーキンソン病リスクを低減しうると考えられました。
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