住血吸虫を寄生させると喘息が改善する/マウスの実験
Free!アフリカなどの途上国でアレルギー性疾患が少なく、先進国では喘息などのアレルギー疾患が多いことが知られています。この差が生じている可能性の一つとして、寄生虫の有無が考えられています。アフリカのガボンの児童を対象にした試験で、体内の寄生虫を取除くとハウスダストにより過敏になるという結果が得られています。
このたび、アイルランドのTrinity College DublinのPadraic Fallon等は、住血吸虫を寄生させると喘息が改善することをマウスの実験で確認しました。
住血吸虫は、世界で2億5000万人が罹患しているビルハルツ住血吸虫症の原因寄生虫です。研究の結果、この寄生虫は免疫機能に作用してアレルギーを起こしにくくしていると考えられました。
今後研究者等は、住血吸虫によるアレルギー反応抑制メカニズムを分子レベルで解明していくとのことです。分子メカニズムが解明されれば、効果的なアレルギー治療薬が開発できるかもしれません。
- Worms to help combat allergies / BBC
- Parasite link to asthma cure / Scotsman
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