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バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。
[記事] 「新規2型糖尿病患者を対象にしたロシグリタゾン vs メトフォルミンまたはグリブリドの比較試験」へのコメント
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▽新規2型糖尿病患者を対象にしたロシグリタゾン vs メトフォルミンまたはグリブリドの比較試験
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16655
一見するとロシグリタゾンにとって好ましい報告のように見えます。
しかし、ロシグリタゾンのメーカーであるGlaxoSmithKline社がスポンサーとなり、さらにGlaxoSmithKline社が解析も行ったADOPT試験の内容をほんのちょっと吟味すると、ロシグリタゾンではなくてやはりメトフォルミンが2型糖尿病の薬物治療の第1選択薬として理に適っていると思う人が多いのではないかと思います。
ADOPT試験結果を吟味したエディトリアルがNEJM誌に発表されています(1)。
このディトリアルの著者は、糖化ヘモグロビンレベルではなく、空腹時血糖が180mg/dLを超えるということで定義される治療失敗がADOPT試験でプライマリーアウトカムとなっていることを“時代錯誤”であると批判しています。
なぜなら糖化ヘモグロビンレベルは合併症のリスクと最も相関し、10年以上前から糖尿病治療の代謝ターゲットとして使用されているからです。
メトフォルミンまたはグリブリドに比べてロシグリタゾンではそれぞれ治療失敗のリスクが32%、63%低下するという結果となっており、治療失敗をベースにした解析ではロシグリタゾンの効果が優れているように思えます。
しかし、プライマリーアウトカムとすることが妥当と考えられた糖化ヘモグロビンの結果からはロシグリタゾンで臨床的に卓越した効果が期待できるとはいえないようです。
治療4年時点でのロシグリタゾンの糖化ヘモグロビンの値はメトフォルミンに比べて0.13低いに過ぎません。
また4年時点で糖化ヘモグロビンのレベルが7%未満だった割合はロシグリタゾン治療群で40%、メトフォルミンで36%であり、ロシグリタゾンの方がかろうじて4%上回ったという程度でした。
この差は有意ではありましたが、はたして4年間でのこのような僅差が臨床上意義のある差といえるのかどうかは疑問です。
その他、ロシグリタゾンは体液貯留や体重増加のリスクもありますし、メトフォルミンに比べて値段も高いです。
それに、ロシグリタゾンと同じくチアゾリジンジオン化合物に属するピオグリタゾンの臨床試験(PROACTIVE)(2)で示された心血管イベントリスク軽減作用は今回のADOPT試験では支持されませんでした。
以上のような観点から、エディトリアルの著者は、2型糖尿病の初期薬物治療ではメトフォルミンを使用することが理に適っていると結論しています。
(1)Editorial: Thiazolidinediones for Initial Treatment of Type 2 Diabetes?
http://content.nejm.org/cgi/reprint/NEJMe068264v1.pdf
(2)Secondary prevention of macrovascular events in patients with type 2 diabetes in the PROactive Study (PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVascular Events): a randomised controlled trial. Lancet. 2005 Oct 8;366(9493):1279-89.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=162145
\n98&query_hl=5&itool=pubmed_docsum
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新規2型糖尿病患者を対象にしたロシグリタゾン vs メトフォルミンまたはグリブリドの比較試験