BRCA1はプロゲステロン受容体にも直接作用してその働きを阻害する
Free!プロゲステロン受容体は、阻害または刺激作用により、正常な乳房発達と乳癌の形成に影響を与えています。
これまでの研究で、乳癌遺伝子・BRCA1の産物は、エストロゲン受容体αと相互作用し、エストロゲン受容体αの転写活性を抑制することが知られています。
このたび乳房上皮細胞を用いた実験の結果から、BRCA1はプロゲステロン受容体にも直接作用し、プロゲステロン受容体が他の遺伝子を活性化するのを阻害すると分かりました。
また、Brca1を部分欠損させたマウスにプロゲステロンを投与すると、乳腺の増殖反応が増強させることが確認されました。
これらの結果から、BRCA1は、乳癌にも関与している妊娠ホルモン・プロゲステロンの活性を調節していると分かりました。
【参考】
BRCA1とBRCA2は1994年と1995年に発見されました。2つの遺伝子のうちの1つに欠陥があると、70歳までに乳癌を発現するリスクが最大80%上昇します。また、これらの遺伝子に欠陥があると卵巣癌にもなりやすくなります。
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