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血流の妨げはないが危うい冠動脈硬化巣の経皮冠動脈インターベンションが有効
 ・ 誤記を訂正しました(再度の血行再建→血行再建)
抗生物質で心不全を治療できるかもしれない
 ・ 誤記を訂正しました(心臓発作に、、、→心臓発作後に、、、)

去年の新たな唾液腺の発見の報告が疑問視されている

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2021-01-13 | コメント

去年9月にRadiotherapy & Oncology誌に掲載されて当サイトを含む多くのニュースで紹介された新たな唾液腺(tubarial glands)の発見の報告が疑問視されています。

1つは新規性を疑うもので、tubarial glandsの特徴に見合う構造の存在は100年以上前から把握されていたとスタンフォード大学のAlbert Mudry氏等は指摘しています(Radiotherapy & Oncology December 10, 2020)。

また、唾液腺と分類することの妥当性も疑問視されています(Radiotherapy & Oncology Published:December 09, 2020DOI:https)。その存在位置をみるに口腔に腺液は届きそうになく、唾液の生成には寄与していなさそうです。また、唾液の主成分アミラーゼもなく、唾液腺とみなすのは無理という科学者もいます。

臓器であれ技術であれ完全なる新発見の類の報告はすべて疑わしいとMudry氏は考えています。というのも新規性の確認のために過去の報告を洗いざらい調べることを著者はたいてい怠るからです。Mudry氏によると1800年代に解剖学者Jean Cruveilhier氏やJakob Henle氏、耳科医Adam Politzer氏が既にtubarial glandsの領域の腺の存在を記録しています。

新たな腺などのそもそも無いのであり、新たな腺の定義ではなく別の考察に専念すべきだったとNational Cancer Institute of Brazilの口腔病理医Daniel Cohen Goldemberg氏は言っています。Cohen Goldemberg氏によると研究は優れており、撤回せずに訂正して残すべきと言っています。Cohen Goldemberg氏も研究成果への指摘をRadiotherapy & Oncologyに投稿しています。

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