一酸化炭素(CO)の阻害剤は、外傷性の出血を抑制しうる
Free!ラットの実験から、一酸化炭素(CO)の阻害剤は、外傷性の出血を抑制しうると分かりました。
ヘムの分解によって生じたCOは、血管を拡張することで血圧をコントロールしています。
重度の裂傷により、血管を裏打ちしている内皮が損傷を受けると、一酸化窒素シンターゼ(NOS)の生成が阻害されます。NOSはCOよりも強力な血管拡張作用を有しています。
組織損傷部位では、NOSが損失することで血管の拡張が抑制され、出血がコントロールされます。しかしながら、COは損傷部位の周囲の血管を拡張し続けます。
ベイラー大学のMary E. McCarty等がExperimental Biology 2006で発表したラットでの実験結果から、CO阻害剤は正常な細動脈の拡張は抑制しないが、内皮細胞が損傷した細動脈を収縮させると分かりました。
正常な細動脈ではNOSが存在するためCO阻害剤を投与しても血管は影響を受けないと考えられました。一方、内皮細胞が損傷した細動脈はNOSが阻害されているため、CO阻害剤の投与で収縮したと考えられました。
この結果から、CO阻害剤は外傷を受けた軟組織の血管を狭め、出血を防ぐ作用があると推定されました。
続いて研究者等は、肝臓を損傷させたラットでのCO阻害剤の効果を試してみました。この実験から、CO阻害剤を投与すると長期間にわたって血圧上昇が保たれ、生存期間も延長しました。
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