匿名性の確保が精子バンク産業繁栄の鍵を握る
Free!デンマークに本拠を置く世界最大の精子バンク会社・Cryos Internationalはデンマーク男性の精子を全世界に普及させています。Cryos社を起点にして、北欧での精子バンク産業の現状を解説します。
デンマーク男性の精子はこれまで1000以上の妊娠に使用されてきました。精子の需要は増えてきており、最近ではアメリカからの需要増加に伴い、Cryos社はニューヨークに支店を開きました。
デンマークでは多くの男性がCryos社の3つの献"精子"施設で精子を提供します。1回の精子提供で40.50ドルが支払われます。
提供された精子のうちCryos社の基準に合致するのはわずかに10%ほどです。Cryos社は現在デンマーク人の精子のみ受け付けていますが、今後2年以内にインド人、アジア人、アフリカ人等の精子も受け付ける体制を整えていきます。
現時点でCryos社は世界40カ国にデンマーク人の精子を提供しており、妊娠成功率は30%以上という高率を誇っています。他の精子での妊娠成功率はせいぜい10%ほどです。
世界の精子バンク産業の1/3は北欧に集中していますが、精子提供者の匿名性が脅かされる法案が可決されるにつれて、この産業の繁栄も脅かされつつあります。
ノルウェーには私設の人工受精クリニックはなく、精子を提供する男性もほとんどいません。2003年11月に匿名で精子を提供することを禁じる法案が成立したからです。
またフィンランドでも精子を提供したいと考える男性が少なくなりつつあります。というのも、「人工授精でうまれた子供に父親に関する情報を入手する権利を付与する」という取り決めを含む人工妊娠に関する法案が国会で審議されようとしているからです。
スウェーデンやノルウェーでは、人工授精で生まれた子供は一定の年齢になると精子提供者の情報を入手することができます。この法律ができてからというもの、スウェーデンでは精子提供者の数が激減しました。この法律ができてからというもの、一年当たり500-800組の人工授精を望むスウェーデン人カップルが人工授精をうけるためにデンマークを旅するという現象がおきています。
子供が父親のことを知りたいと思うのは当然のことですが、実際には精子提供者の大部分は匿名を望んでいます。Cryos社によると、匿名性がなくなっても精子を提供するという人は12%、将来自分の精子で生まれた子供が自分に接触してくるのを許すとする人は8%という結果となっています。
アイルランドでは、匿名性・非匿名の両方の精子提供を許可しています。Cryos社のCEO・Ole Schou氏いわく「理想的な精子提供の体制だ。この方法なら精子提供会社も存続できる」。
- World's Top Sperm Donors Live in Denmark / Reuters
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