食欲に関連した神経回路における内在性カンナビノイドとレプチン情報伝達の統合
Free!カンナビノイド受容体を標的とし、食欲を低下させて体重を減らす肥満治療薬が開発されています。これまでの研究でCB1受容体とレプチンは視床下部神経のカンナビノイド合成を調節していることが証明されています。
このたび、脳弓周囲の外側視床下部(LH)神経の脱分極は、CB1受容体を介して、食欲や報酬に関わると考えられている局部回路の阻害の抑制を誘導すると分かりました。
脱分極によって誘導された「LH神経の阻害トーンの低下」はレプチンによって阻害されました。レプチンは、janus kinase 2 (JAK2) とmitogen-activated protein kinase (MAPK) の活性化を介してLH神経の電位依存性カルシウムチャンネルを阻害しました。
レプチン欠損マウスでは、LH神経において定常状態のカルシウム電位が上昇しました。また、レプチン欠損マウスでは、CB1受容体が介在し、脱分極によって誘導される「神経回路の阻害の抑制」はコントロールよりも6倍長くなっていました。
以上の結果から、内在性カンナビノイドとレプチンは摂食行動の動機付けに関わる視床下部神経回路の調節因子として機能することが電気生理的に裏付けられました。
2020-09-04|肥満
+ 太る人は太り具合いの見積もりがより甘い
2020-05-23|肥満
+ 癌治療標的として知られるAlk除けが痩身の秘訣と判明〜Alk欠損マウスは太らない
2020-04-24|肥満
+ カルシウムがα-MSHのMC4R結合を助けて食欲抑制に至る信号伝達を促すらしい
2020-04-13|肥満
+ 胃の膨張を迷走神経経由で知って食べすぎ飲みすぎを防ぐマウス脳の神経を同定
2020-04-03|肥満
+ 酷似蛋白質CRY1とCRY2を識別する化合物を同定〜肥満治療の道をひらく
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。