統合失調症患者の多くが虐待を経験/精神疾患が薬だけで治るなんて考えない方が良い
Free!これまでに発表された研究成果をレビューしたところ、統合失調症患者を含む精神疾患患者の多くが性的または身体的虐待の経験があると分かりました。
マンチェスター大学のPaul Hammersleyとオークランド大学のJohn Read等がこれまでに発表された精神疾患に関する40文献をレビューしたところ、多くが子供のときまたは大人になってから性的・身体的虐待を受けていたことが分かりました。
また、統合失調症に関する13文献をレビューしたところ、少なくて51%、多くて97%が虐待を受けていたという結果となりました。
この結果を受けて、この調査を実施したRead医師は次のように言っています。「偏見をもって接したりすぐに気分安定薬を処方するのではなく、精神疾患サービスを使用している統合失調症患者やその他の人々の身に何が起きているのかを把握した上でバランスが取れたエビデンスベースの治療が施されるようになることを期待してやまない」
また、Hammersley医師は次のように言っています。「多くの精神疾患患者が小児虐待はという問題に直面している。遺伝や診断に関係なく幻聴は小児の外傷と常に関連している。」
Hammersley氏とRead氏は、精神医療に携わる人々は患者全てに対して虐待を受けたことがあるかどうかを尋ねる必要があると考えています。また、抗精神病薬をむやみに投与することは避け、それよりは心理療法をもっとたくさんしたほうが良いと考えています。
Hammersley氏曰く「このことについて最も重要なのは、精神医療が変われるかどうかだ。精神医療サービスを使っているユーザーは、薬だけしか提供しないサービスにはコリゴリだと私に言ってくるよ。」
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