Bayer社 Trasylolのレトロスペクティブ試験の結果をFDA諮問委員会の後に“蔵出し”
Free!2006年9月29日、Bayer社は、冠動脈バイパス・グラフト手術を受ける患者に対するTrasylol(アプロチニン、aprotinin)、アミノカプロン酸(aminocaproic acid)、トラネキサム酸(tranexamic acid)の作用に関するレトロスペクティブ試験成績を“誤って”FDAに報告することを怠ったと発表しました。
これまでに、Trasylol使用は死亡、重度の陣障害、うっ血性心不全、脳卒中の危険を上昇させうることが67,000人の病院カルテのレビューの結果から示唆されたとFDAは発表していました。
失血を減らすと信じて医師はバイパス手術時にTrasylolを使っています。
試験の方法論に疑問があり、得られた知見は予備的なものであったのでレトロスペクティブ試験の結果をFDAとすぐにシェアしなかったとBayer社は説明しています。
今回のプレスリリースでBayer社は、9月21日の諮問委員会の前にこのレトロスペクティブ試験の結果をFDAとシェアすべきであったと言っており、シェアしなかったことは“間違いであった”と認めています。
このFDA諮問委員会では、バイパス手術を受ける特定の患者の失血を防ぐ上でTrasylolの安全性と有効性は受諾できると判断されています。
FDAは、諮問委員会が開催された時点でBayer社の新しい試験データの存在に気付いていませんでした。Bayer社は、9月27日にFDAにその結果を通知しました。すなわちFDA諮問委員会の6日後です。
Bayer社が実施したレトロスペクティブ試験では、Trasylolで治療された患者3万人とその他の製品で治療された37,000人のデータが比較されています。この新しい試験でもTrasylol使用者において死亡、腎不全、うっ血性心不全、脳卒中のリスクが上昇することが示唆されています。
今後FDAはBayer社から提出された新しいデータを評価していく予定です。
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