Eli Lilly社 多形性膠芽腫を対象にしたEnzastaurinの第3相試験の患者エンロールを中止した

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2006-12-22 | コメント

2006年12月21日、Eli Lilly社は、社外独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析の結果やこれまでに得られたデータのレビューから、悪性脳腫瘍・多形性膠芽腫を対象にしたEnzastaurinの第3相試験・STEERING (Study Evaluating Enzastaurin in Recurrent Glioblastoma) の患者エンロールを中止したと発表しました。

予定されていた中間解析の結果、既存の化学療法を上回る無増悪生存率(プライマリーエンドポイント)の改善は見込めないと示唆されました。

しかし、Eli Lilly社の癌研究部門の部門長・Richard Gaynor氏の説明によると、今後もenzastaurinの開発は続けていくとのことです。

多形性膠芽腫以外に、非ホジキンリンパ腫を対象にしたenzastaurinの第3相試験が進行中です。この試験では維持療法としてのenzastaurinの効果が調べられています。その他、乳癌、大腸癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌などを対象にした複数の第2相試験が進行中です。

Enzastaurinは複数のキナーゼの阻害剤であり、多くの癌細胞で活性化することが知られているPKCβとPI3K/AKTシグナル伝達を選択的に阻害する作用があります。これらの経路を阻害することで、enzastaurinは腫瘍細胞増殖や血管新生を阻害し、腫瘍細胞死を誘導します。

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