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直感による人工腕のコントロールを可能にする方法が開発された

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2007-02-05 | コメント

切断された部分に残っている神経をうまく応用することで、直感に従って動かすことができる人工腕が開発されました。

バイクの事故が原因で片腕を失った若い女性にこの人工腕が装着されました。その手術の様子や人工腕装着後の状態がLancet誌に報告されています。

医師等はまず腕の切断によって行き止まりになった尺骨神経、正中神経、筋皮神経、橈骨神経の末端を胸筋と鋸筋に移動させました。この手順をTargeted muscle reinnervation(標的化筋肉再神経分布、TMR)といいます。

このTMR処置された筋肉は、切断された神経の運動指令の増幅器として機能します。

続いて鎖骨上神経(supraclavicular cutaneous nerve)と肋間上腕神経(intercostobrachial cutaneous nerve)が切断され、それぞれの神経の遠位末端が尺骨神経と正中神経に吻合されました。この手順を研究者等はTargeted sensory reinnervation(標的化感覚神経再分布、TSR)と呼んでいます。

このTSR処理により、TMRされた領域やその付近の皮膚を触ると被験者はまるで失われた手に触れられているように感じます。

TMRとTSR手術後に被験者に人工腕が装着されました。

被験者が“手を開く”という指令を脳から発すると、その指令は通常の末梢神経を伝達してTMR領域の筋肉でその信号が増幅されます。

増幅された信号は筋電流センサーに受信され、被験者は筋電性の人工腕の手を開くことができました。

また、女性はこの人工腕の手で圧力、温度、質感をほぼ正常に感じることができました。

この人工腕を装着して女性が様々な家事をする様子を記録した映像をLancet誌から見ることができます(ビデオをダウンロード)。映像を見ると、この人工腕が実際の生活で使用可能であることがよく分かります。

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