グリア細胞のRNA結合蛋白質の二量体化を妨げて神経炎症を抑える化合物を同定
Free!神経炎症は脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、脊髄損傷などの予後を悪化させます。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、アルツハイマー病などの神経変性疾患の進行を早めます。ゆえに神経炎症を封じることは神経炎症を後ろ盾とする神経痛や神経疾患の治療法として有望です。
脳のマクロファージ・マイクログリアはグリア細胞の一種で、マイクログリアが活性化するとその核内のRNA結合蛋白質HuRは二量体を形成して核外の細胞質に移行し、神経炎症促進サイトカインやケモカインの生成を促します。
そのHuR二量体化を阻害する低分子化合物SRI-42127が見つかり、リポ多糖(LPS)で活性化を誘発したグリア細胞の核内から核外へのHuRの移行を阻害して炎症促進因子の生成を有意に減らすことが示されました。
また、SRI-42127はマウス脳のマイクログリア活性化を抑制し、好中球や単球が血液脳関門(BBB)を越えて中枢神経系(CNS)に到達しないようにしました。好中球や単球は脳や脊髄の炎症を悪化する恐れがあります。
つまりSRI-42127はBBBを越えて神経炎症反応を速やかに抑制しました。
また、マイクログリアによる神経炎症を引き金とする病態・神経因性痛を緩和しうるSRI-42127の効果が出版前のデータで確認されています。
該当するデータが見つかりませんでした。
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。