三つ子の騒音百まで
 ・ 参考文献にPERSPECTIVEを追加しました。
大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。
先立つ治療を少なくとも1回経ている骨髄腫へのJ&JのCarvykti使用を欧州も承認
 ・ BMSのBCMA標的CAR-T・Abecmaの欧州での承認について短く追記しました。

劣性遺伝性難聴患者で欠損しているotoferlin(オトフェリン、オトフェルリン)は聴覚リボンシナプスでのエクソサイトーシスに必須

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2006-10-27 | コメント

哺乳類の聴覚器官では、内有毛細胞(auditory inner hair cell、IHC)が音刺激を受容器電位に変換しています。

難聴に関するいくつかの遺伝子はIHC構造を障害することが知られています。

2006年10月20日のCell誌に発表された研究成果から、DFNB9遺伝子の変異が引き起こす劣性遺伝性難聴ではIHCの構造的障害は認められず、IHCシナプスでのシナプス伝達障害が難聴の原因となっていることが明らかになりました。

DFNB9がコードするotoferlinは膜融合を誘発するタンパク質ファミリー・ferlinに属しています。

この研究から、otoferlinがIHCのリボンシナプスでSNARE分子と相互作用することで神経伝達物質のエクソサイトーシス(開口放出)を引き起こすと分かりました。

さらに、重度難聴を呈するotoferlin欠損マウス(Otof/)では、リボンシナプス形態形成とカルシウムイオン電流は正常ですが、 IHCでのエクソサイトーシスはほぼ完全に消失していました。

この研究成果から、劣性遺伝性難聴を引き起こす病態生理学的な過程が明らかになり、ferlinファミリーの新たな機能が示唆されました。

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