Verastem社の膵癌Ph2試験の毒性心配〜更に卵巣癌治療の承認申請の用途狭し

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2024-05-25 | コメント

Verastem OncologyのRaf/Mek阻害剤avutometinib(アブトメチニブ)込み転移性膵癌初治療4通りのうちの1つがよく効きましたが、いかんせん毒性が強いようで41人中12人に全部で19の深刻な有害事象が発生しました。

コホート1の治療の奏効が最も多く6人中5人(83%)に認められました。しかし他でもないそのコホート1の1人に用量制限毒性の発熱性好中球減少が生じています。被験者組み入れがより最近の他の3つのコホート(合計20人)で奏効しているのは僅か3人のみです。

Verastem社は低グレード漿液性卵巣癌(LGSOC)患者へのavutometinibと同社の別の一品defactinib(FAK阻害剤)併用の取り急ぎの承認を求める米国FDAへの段階的申請を始めたことも別口で発表しています。

喜ばしいことですが、その用途は米国FDAからせっかく優遇指定されている範囲より随分狭いKRAS変異患者の治療です。LGSOCをKRASの状態を問わずavutometinibとdefactinibで治療することがFDAの開発優遇の対象ですが、同社が始めたのはKRAS変異患者への使用の申請です。

その背景として、先立つ治療を経ている再発LGSOC患者対象のPh2試験(RAMP 201)での奏効率低下が明らかになっています。ちょうど1年前のより初期段階での29人のavutometinib+defactinib併用の奏効率は45%(13/29人)でしたが、今年2月23日までの被験者109人の奏効率は27%(29/109人)に落ち込んでいます。しかしKRAS変異患者に限った奏効率は比較的ましで37%です。一方、KRASが変異していない患者の奏効率は僅か15%(8/52人)でした。

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