セリン不足の癌が増殖できないのはスフィンゴ脂質合成酵素の基質鞍替えのせい

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2020-08-16 | コメント

セリンやグリシン等の非必須アミノ酸は腫瘍の進展には不可欠であり、それらを絶つことで癌を治療できる可能性があります。

Nature誌掲載の新たな研究の結果、セリン不足の癌は有害物質・デオキシスフィンゴ脂質を溜め込んで増殖しなくなると分かりました。

なぜデオキシスフィンゴ脂質が溜まるかというと、いつもはセリンからスフィンゴ脂質を作る酵素セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)がセリン不足だとセリンを見限ってアラニンを基質とするように鞍替えしてデオキシスフィンゴ脂質を生み出すからです。

その発見からの予想通り、セリン合成酵素・ホスホグリセリン酸脱水素酵素(PHGDH)の阻害でマウス体内を巡るセリンを減らすとデオキシスフィンゴ脂質が蓄積して腫瘍増殖が立ち行かなくなるという結果が得られています。

デオキシスフィンゴ脂質の蓄積は神経を害する恐れもありますが、セリン絶ちによる癌治療は神経に害が及ぶほど長くはかからずに済みそうです。

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