IL-18という物質が増えると心臓病で死亡する確率が高くなる
Free!「冠動脈疾患をおこした患者1229人の予後を4年間にわたって観察したところ、心臓病で死亡した人の体内にはIL-18(第18インターロイキン)という炎症をおこす物質が高濃度に存在していた」という疫学調査の結果が、ドイツとフランスの研究者等によって2002年6月3日のCircuration誌に発表されました。
以前より、IL-18という物質は、多すぎると、血管に悪影響を及ぼし動脈硬化、心不全などの循環器疾患を引き起こすと考えられてきました。
しかしながら、それが本当かどうかははっきりとは証明されていませんでした。
ドイツとフランスの研究者等は、少なくとも一度は冠動脈疾患(*)をおこしたことのある患者1229人を4年間にわたって観察し、IL-18と循環器疾患に相関関係があるかどうかを調べました。
4年の調査期間中に、試験に参加した冠動脈疾患患者1229人のうち95人がその後何らかの循環器疾患によって死亡し、それら95人の4年間の平均IL-18濃度は他の人に比べて16.5%高くなっていました。つまりIL-18が高濃度であるほど循環器疾患で死亡する確率が高くなるとわかったのです。
この疫学調査の結果は冠動脈疾患の患者から得られたものですが、同様なことが他の人にも当てはまると考えられます。すなわち、IL-18濃度が高い人はすべて心臓病に罹りやすい状態にあるといえるのです。
今後は心臓病を防ぐために、IL-18をブロックする薬剤が開発されていくようです。□□□
*冠動脈疾患とは?
栄養や酸素を心臓に送る細い血管を冠動脈といいます。冠動脈はいわば心臓の生命線です。この冠動脈の血液の流れが滞って心臓の機能が悪化し、動悸や息切れなどをおこしやすくなった状態を冠動脈疾患といいます。
△Marker may predict risk of heart attack
http://www.reutershealth.com/archive/2002/06/04/eline/links/20020604elin029.html
△Interleukin-18 Is a Strong Predictor of Cardiovascular Death in Stable and Unstable Angina
Circulation 2002: published online before print June 3, 2002, 10.1161/01.CIR.0000020546.30940.92.
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/01.CIR.0000020546.30940.92
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