β2アドレナリン受容体はSニトロシル化で匿われ、それが喘息発生の後ろ盾を担う
Free!喘息やその他の閉塞性肺疾患の治療薬の多くはGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種・β2アドレナリン受容体(β2AR)狙いです。それらβ2AR活性化剤は速やかに気道を緩めますが、β2ARを匿う仕組み・脱感作などがその効果を妨げます。また、β2AR活性化剤は過剰だと最悪な場合死を招くほどの害をもたらす恐れがあり、第一の治療として大手を振って使えるわけではありません。
そういう害なしの好いとこ取りのβ2AR活性化剤を可能にしうる新たな研究成果がMolecular Cell誌に発表されました。
β2ARは活性化の際にSニトロシル化され、その反応がプロテインキナーゼA(PKA)による典型的なβ2AR脱感作や気管支弛緩に与る一酸化窒素(NO)経路の同じく脱感作のどちらにも不可欠であり、更にはなんと活性化因子(アゴニスト)がなくともSニトロシル化のみでβ2ARは埋没(internalization)しうることが示されました。
また、Sニトロシル化を拒む変異β2ARは脱感作も埋没も生じ難く、ゆえにNO頼りの伝達を増幅し、その変異Cys265Serを有するマウスは気管支収縮、炎症、はては喘息を生じにくいことも確認されました。
今回の結果で示されたSニトロシル化の仕組みはGPCRで広く採用されているかもしれません。
また、Sニトロシル化狙いの治療を目指せそうです。
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