エストロゲンは免疫細胞による乳癌細胞殺傷を妨げる

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2007-01-30 | コメント

エストロゲンは乳癌細胞の増殖と移動を促進することが知られています。新たな研究から、エストロゲンは免疫細胞による乳癌細胞の探知(免疫学的監視)を妨げる作用があるとわかりました。

研究者等は、ナチュラルキラー細胞が腫瘍細胞に遭遇したときに生じるイベントカスケードにおけるエストロゲンの役割を解析しました。

正常な状態では、腫瘍細胞に入って腫瘍細胞を殺すグランザイムという酵素を含む顆粒をナチュラルキラー細胞は放出します。

研究の結果、エストロゲンがエストロゲン受容体に結合して形成された複合体がグランザイム阻害剤・プロティナーゼ阻害剤9(PI-9)の生成を亢進するとわかりました。

この阻害剤はグランザイムに結合し、腫瘍細胞を殺傷する分子カスケードの開始を阻害します。

すなわちエストロゲンはPI-9の生成を亢進し、腫瘍細胞を殺傷する分子カスケードを阻害すると考えられました。

また、非常に高レベルのエストロゲン受容体を有する乳癌細胞が低レベルのエストロゲンに暴露するとグランザイム阻害剤が大量に生成されてその乳癌細胞は免疫攻撃に対して高度な抵抗性を示すようになるとわかりました。

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