先立つ治療の甲斐なく進展した乳癌にLillyのエストロゲン受容体分解剤が有効

Free!
2024-12-12 | コメント

Eli Lillyの経口のエストロゲン受容体分解剤(SERD)imlunestrant(イムルネストラント)が乳癌患者相手のPh3試験EMBER-3で無増悪生存(PFS)改善を達成しました。

アロマターゼ阻害剤による先立つ治療の甲斐なく悪化したESR1変異エストロゲン受容体陽性(ER+)/HER2陰性(HER2-)乳癌患者の無増悪生存(PFS)の比較でimlunestrant投与が定番の内分泌治療を上回りました。imlunestrant投与群の悪化か死亡の発生率は内分泌治療に比べて38%低くて済み、PFS中央値はそれぞれ5.5か月と3.8か月でした。

ESR1変異以外の患者も含むimlunestrantと内分泌治療のPFSの比較では残念ながら有意差が付きませんでした。

EMBER-3試験はimlunestrantとLillyのCDK4/6阻害剤Verzenio(ベージニオ;abemaciclib)の併用の検討も含み、その使い道はより広そうです。ESR1遺伝子変異の有無を問わない比較でのimlunestrantとVerzenio併用の悪化か死亡の発生率はimlunestrant単独に比べて43%低くて済みました。PFS中央値はそれぞれ9.4か月と5.5か月でした。

imlunestrantとVerzenioの併用の悪化か死亡の発生率は内分泌治療に比べて54%低くて済みました(ハザード比0.46、95%信頼区間0.36〜0.60)。

EMBER-3試験は続き、全生存(OS)の比較結果がやがて判明します。

この記事のカテゴリ
関連ニュース

該当するデータが見つかりませんでした。

この記事に対するコメントをお寄せ下さい

[この記事に対してコメントするには会員登録が必要です]

下記のフォームより、有料会員または無料メール会員のいずれかに登録してください。

[会員登録がお済みの方はログインしてください]

コメント一覧

この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。

会員様ログイン
メール会員(無料)募集中

メール会員登録(無料)をされますと、BioTodayに登録された記事を毎日メールでお知らせします。また、メール会員登録されますと、毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

メール配信を希望される方は、以下の欄にメールアドレスを入力下さい。

◇メール会員登録までの流れ

  1. メールアドレスを入力
  2. 入力したメールアドレスに自動生成されたパスワードが届けられる

後は、自動生成されたパスワードと登録したメールアドレスでログインすると毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

質問検索
BioToday 非会員の方へ

質問を投稿して頂くには、メール会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方へ

質問を投稿して頂くには、ログインが必要です。
下記のリンクからログインしてください。

My Book

バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。

改定履歴

参考文献を加え、imlunestrantとVerzenioの併用と内分泌治療の比較結果を本文中に追記しました。当初、その結果が見当たらないとしていましたがNEJMの文献に以下の通り記載されていることに後で気づいて追記しました。”imlunestrant-abemaciclib as compared with standard therapy, the hazard ratio for progression or death was 0.46 (95% CI, 0.36 to 0.60) ”

検索