StemCells社の胎児由来幹細胞移植の第1相試験で最初に幹細胞が移植された6歳男児の状況

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2006-12-15 | コメント

バッテン病(Batten disease)患者を対象にした胎児由来幹細胞(HuCNS-SC)の第1相試験をStemCells社が実施しています(2006年11月16日BioToday)。この第1相試験で最初にHuCNS-SCが移植された6歳の男の子・Daniel Kernerとその家族の様子がAPで報じられています。

Batten diseaseはニューロンセロイド脂褐素症(NCL)全般を示す疾患名として定着しています。NCLは発病年齢で大別されますが、より詳しくは特定の酵素の状態で分類されます。すべてのNCL患者はリソソーム酵素遺伝子を欠いており、似たような経過・転帰をたどります。Batten diseaseの小児には発作、運動機能・視力・精神機能の段階的な損失等の症状が出現します。

NCLモデルマウスの脳にHuCNS-SCを移植すると、細胞は脳全体に広がり、失われたリソソーム酵素を生成することが確認されています。

今回StemCells社が実施している第1相試験の結果が公表されるまでには少なくともあと1年かかる予定です。この第1相試験では主に安全性が調べられます。

この第1相試験の最初の患者となったKernerの父親・Marcus Kerner氏は次のように言っています。

「小さな彼は死を待つばかりの状態だった。だけどこれから良くなろうとしている。」Kerner氏によると、最近、ここ2年間で初めてDanielは彼を“パパ”と呼んだそうです。

HuCNS-SCの第1相試験ではDanielの他にあと5人のバッテン病小児にHuCNS-SCが移植される予定です。

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