Theravance社 複雑性皮膚・皮膚組織感染症を対象にした第3相試験結果発表

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2006-08-24 | コメント

2006年8月22日、Theravance社は、グラム陽性バクテリアによる複雑性皮膚・皮膚組織感染症(complicated skin and skin structure infection、cSSSI)の治療薬として開発している抗生物質・telavancinの2つの第3相試験・ATLAS IとATLAS IIでプライマリーエンドポイントを達成したと発表しました。

この試験には1867人が参加しました。そのうち719人はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染患者でした。

この2つの試験のプライマリーエンドポイントは共にバンコマイシン(vancomycin)の非劣性を証明することであり、2つの試験共にプライマリーエンドポイントを達成しました。

ATLAS IとATLAS IIのデータを混合解析した時の臨床治癒率(clinical cure rate)はtelavancinで90.6%、バンコマイシンで86.4%であり、telavancinの方が治癒率が優れていました(p=0.060)。また、微生物駆逐率もtelavancinの方が優れていました(89.9% vs 85.4%、p=0.053)。

2005年11月に、日本を除く全世界でのtelavancinの開発・販売でTelavancin社はアステラス製薬と提携しました。2006年7月にはこの提携の対象に日本が含められました。この提携の下で、cSSSIと病院内肺炎の治療薬としてのtelavancinの開発をTelavancin社がリードし、アメリカでのマーケティングはアステラス製薬と共同で行う予定です。アステラス製薬はその他の開発、薬事、製造、販売、マーケティング活動をリードします。

Telavancinはリポ糖ペプチド抗生物質製剤です。細菌細胞壁の形成を阻害し、バクテリアの細胞壁の保護機能を破壊します。

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