Lillyのκオピオイド受容体遮断薬LY2444296でアルコール依存ラットの酒量が減少
 ・ 3段落目の誤記を訂正しました(断酒9時間後→断酒8時間後)
三つ子の騒音百まで
 ・ 参考文献にPERSPECTIVEを追加しました。
大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。

パキスタンの大道芸人の研究から鎮痛剤の標的として有望なイオンチャンネルが同定された

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2006-12-17 | コメント

痛みを感じないという特異な体質を持ち、その特徴を生かしたパフォーマンスを繰り広げてきたパキスタンの若い大道芸人(ストリートパフォーマー)に端を発する研究から、痛覚に必要となる遺伝子が同定されました。この遺伝子をSCN9Aといいます。

この少年は、痛みを感じないことを利用して腕をナイフで切ったり燃えている石炭の上を歩いたりといった大道芸をして観衆を驚かせていました。

この少年の研究をきっかけにして、この少年と同様に他は正常なのに痛みだけを感じない5人の無痛覚者が3つの家族から同定されました。

その後これらの無痛覚者の遺伝子を解析したところ、Nav1.7というナトリウム・チャンネルのαサブユニットをコードする遺伝子・SCN9Aに3つのホモ接合性ナンセンス突然変異(S459X, I767X, W897X)が見つかりました。

実験の結果、この変異はNav1.7の機能を消失させると分かりました。

今回の結果から、SCN9Aは痛覚に必要であり、Nav1.7のαサブユニットは新しい鎮痛薬の標的として有望と考えられました。

この研究にはPfizer社の研究者も関与しています。すでにファイザー社は今回の発見をベースにした化合物の前臨床試験を実施しているとのことです。

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