イマチニブで治療を開始した慢性骨髄性白血病患者の多くは寛解状態を長期間維持する

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2006-12-18 | 投稿者 : 清宮さん
leukさんコメントありがとうございます。今後は分子対分子ではなく、細胞、組織、体全体といった生体ネットワークにおける薬剤の作用を包括的に調べていく必要があるのでしょうね。

こういったシステムバイオロジーの研究が可能となるツールも開発されてきています。“このようなツールのおかげで研究の醍醐味が増す”と考える研究者が増えることを期待しています。
2006-12-17 | 投稿者 : leukさん
清宮さんのコメントに同感します。
イマチニブのCMLに対する効果は、生体内の白血病細胞に対してBCRABLと同時にc-Kitを阻害していることが重要とも言われています。kinase阻害剤は、病態においてcriticalな複数のkinaseに作用するものが主流になってきており、その反面、そのことによってもたらせる副作用についての充分な検討が必要です。
2006-12-07 | 投稿者 : 清宮さん
慢性骨髄性白血病に対するグリベック(イマチニブ、Imatinib)の長期間の効果を調べた試験の結果が発表されています。

 ▽イマチニブで治療を開始した慢性骨髄性白血病患者の多くは寛解状態を長期間維持する
  http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16698

耐性の問題が指摘されることが多くなってきたイマチニブですが、最初からイマチニブで治療すると、多くの患者において長期間の寛解維持効果が期待できると分かりました。イマチニブの有用性が再確認された良い報告ではないかと思います。

さて

最近、イマチニブがうっ血性心不全の発現リスクを上昇させる危険性を示唆した報告がNature Medicine誌に発表されました。

 ▽Novartis社 癌治療薬・Gleevecの心毒性に関する警告レターを準備中
  http://www.biotoday.com/view.cfm?n=15414

この報告の臨床への意義について解説したレビューが同じく今日のNEJM誌に発表されています(1)。

キナーゼをターゲットにした癌治療低分子化合物の開発が活発に進められていますが、生体にキナーゼ阻害剤を投与したときの全ての影響がわかっているわけではありません。

全ての影響は調べることは困難だとしても、キナーゼ阻害剤の生物学的作用はキナーゼ阻害剤の選択性によって主に説明されますので、少なくともキナーゼ阻害剤がどのキナーゼを阻害するのかは把握しておく必要がありそうです。

あるキナーゼの選択的阻害剤と考えられていた化合物が、よくよく調べてみたら他のキナーゼの阻害作用の方が強かったという場合があるかもしれません。

そんな例の1つとして、p38キナーゼの選択的阻害剤と考えられていたSB 203580による阻害には、p53キナーゼよりもRICKというキナーゼの方がより敏感であることがプロテオーム解析の手法を用いた実験によって確認されています(2)。

このようなプロテオーム解析を用いてキナーゼ阻害の選択性を包括的に調べることが今後重要になってくるのではないかと思います。

また、キナーゼ阻害剤が標的とするキナーゼを阻害した後に起きる様々な現象も今後は積極的に把握していかなければなりません。

たとえば最近の研究で、イマチニブが標的とするc-ABLは乳癌細胞におけるEphB4受容体の抗腫瘍作用を仲介することが確認されています(3)。

薬の開発はますます複雑で大変になると思いますが、予期せぬ副作用を排除して効果の高い薬だけを届けるという観点からは好ましい方向に進んでいると思います。

薬の開発では基礎研究が今後ますます大切になると思いますので、研究者の方が視野を広くもっていろいろなことに興味を持ってより良い薬の開発を目指してくれることを期待しています。


(1)Another Look at Imatinib Mesylate
http://content.nejm.org/cgi/content/full/355/23/2481

(2)An efficient proteomics method to identify the cellular targets of protein kinase inhibitors. PNAS | December 23, 2003 | vol. 100 | no. 26 | 15434-15439
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/100/26/15434?ijkey=e25a35e2b7896c78a300c4c779703d14c58d94ca&keytype2=tf_ipsecsha

(3)The EphB4 receptor suppresses breast cancer cell tumorigenicity through an Abl-Crk pathway. Nat Cell Biol. 2006 Aug;8(8):815-25. Epub 2006 Jul 23.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=16862147&dopt=Abstract
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バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。

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