キネトコア微小管の動態と接着安定性はHec1によって調節されている

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2007-01-02 | コメント

有糸分裂の際、染色体を正確に分離するためには、伸縮する微小管にキネトコアを結びつけ、その動的な接着を能動的に調節する必要があります。

2006年12月1日のCell誌に発表された研究成果から、Ndc80/Hec1には、キネトコア微小管プラス端の動態とキネトコア微小管の接着安定性を調節する機能があると分かりました。

Hec1のN末端への抗体のマイクロインジェクションにより、微小管の解離と微小管プラス端の重合・脱重合が抑制されました。さらに、セントロメアが過剰に引き伸ばされ、キネトコア線維がスピンドル極から短くなり、キネトコア微小管の接着エラーが増加し、染色体の分離に著しい異常が認められました。

Hec1のN末端はオーロラBキナーゼでリン酸化されます。Hec1のN末端をリン酸化できない変異細胞では、キネトコアと微小管の異常結合(merotelic attachments)、セントロメアの過剰伸展、染色体分離の異常が認められました。

この研究成果から、Hec1のN末端にはキネトコア微小管の動態を制御する重要な役割があると分かりました。

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