超高濃度乳房女性をMRI検診もすることで次の検診までの合間の乳癌診断率が半減
Free!オランダでの無作為化試験DENSEの結果、乳癌を生じやすいことに加えてマンモグラフィーでの乳癌検出が困難な超濃密乳房(超高濃度乳房;extremely dense breast)女性をマンモグラフィーに加えてMRI検診にも招待したところ次の検診までの合間の乳癌診断率がマンモグラフィーのみに比べて半減しました(1000検診あたり2.5 vs 5)。
MRI検診に招待された女性8061人のうち約6割(59%)4783人が招待に応じて実際にMRIを受け、その結果約1割(9.5%、454/4783人)に更なる検査を要する異常が認められ、300人が生検を受けて約4人に1人(26.3%、79/300人)が癌と診断されました。
言い換えるとMRI検診は生検で癌が見つからなかった221人(生検女性の約74%、221/300人)に余分な負担を強いたことになります。見つかった癌が果たして治療が必要なのか否かも不明です。
また、今回の試験で超濃密乳房女性のMRI検診で次の検診までの合間の乳癌減ることは判明したものの、それが生存改善をもたらすかどうかも不明です。
今回の試験結果は濃密乳房女性のMRI検診は重要という考えを一層勢いづかせるだろうけど、生存に貢献するかどうか不明で余分な負担を招きうる処置をそれらの女性に施して良いのだろうかと論評者は疑問を投げかけています。
- ・ ジャーナル > 総合医学誌 > New England Journal of Medicine(NEJM)
2021-03-01|乳癌
+ インドで医者が乳房を定期的に診たところ乳癌による死亡が減った
2020-11-02|乳癌
+ 英国の大規模観察試験でホルモン補充療法と乳癌をより生じ易くなることが関連
2020-08-23|乳癌
+ 初期乳癌の手術の際の1回きりの放射線投与は術後3-6週間の全乳房照射に劣らず
2020-05-29|乳癌
+ 非浸潤性乳管癌(DCIS)女性の死亡率が診断から5年以上経って上昇
2020-05-03|乳癌
+ 乳癌術後の1週間の放射線治療が3週間の照射に劣らず〜英国での無作為化試験
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。