大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。
先立つ治療を少なくとも1回経ている骨髄腫へのJ&JのCarvykti使用を欧州も承認
 ・ BMSのBCMA標的CAR-T・Abecmaの欧州での承認について短く追記しました。
デングウイルスやジカウイルスを阻止する細菌をヒトスジシマカの腸から同定
 ・ 関連ニュースを追加しました。

インターフェロンに応じたACE2上昇がコロナウイルス感染を助長しているらしい

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2020-04-22 | コメント

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が細胞侵入に利用する受容体ACE2はウイルスに対抗する防御因子・インターフェロンに応じて発現が増えると分かり、インターフェロンに応じたACE2発現亢進がSARS-CoV-2をよりやすやすと細胞に入りやすくして感染を助長している恐れがあると示唆されました。

インターフェロンはCOVID-19治療法の一つとして検討されており、果たして有効なのか有害なのかは現時点では不明です。いつ投与したかや用量によってウイルスを食い止めることもあれば逆に感染を促してしまう恐れもあると研究者は予想しており、その仕組みを理解したいと考えています。

インターフェロンがACE2発現を増やすという特筆すべき結果の他に今回の研究ではSARS-CoV-2が標的としているらしい細胞の同定という成果も得られています。

SARS-CoV-2のACE2を介した細胞侵入をプロテアーゼTMPRSS2が助太刀することが知られており、研究者はACE2とTMPRSS2のどちらも発現している気管や腸の細胞の同定を細胞1つ1つのRNA配列読み取りによって試みました。

その結果、鼻の粘液を分泌する杯細胞、肺胞の維持を助けるII型肺胞上皮細胞、回腸の栄養吸収腸細胞(ileal absorptive enterocyte)の3種の細胞でACE2とTMPRSS2の両方が発現していました。それらの細胞は小勢で、しばしば10%未満でした。

研究者は今後それらのACE2-TMPRSS2発現細胞にウイルスが頼りとする何かがあるのかどうか等を調べていく予定です。

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