キバナアザミが作る経口投与可能な成分クニシンの神経再生促進効果が判明
 ・ 誤解を訂正しました(オオアザミ→キバナアザミ)。
Rocheの年2回皮下注射Ocrevusが多発性硬化症の再発や脳病変をほぼ完封
 ・ Ocrevus静注が承認済みである旨追記しました。
血流の妨げはないが危うい冠動脈硬化巣の経皮冠動脈インターベンションが有効
 ・ 誤記を訂正しました(再度の血行再建→血行再建)

癌細胞はエクトヌクレオチダーゼENPP1を纏って抗腫瘍免疫を回避する

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2020-12-31 | コメント

染色体の座りが悪い転移癌細胞ではDNAが核の外に出て細胞質を漂っており、それら細胞質DNAはcGAS-STING自然免疫経路を活性化し続けます。その炎症促進経路が呼ぶ免疫細胞に駆除されないようにするために癌細胞はエクトヌクレオチダーゼENPP1を纏うと分かりました

細胞質DNAのcGAS結合に続いて生み出される免疫刺激成分cGAMPをENPP1は分解します。cGAMPの分解産物アデノシンは免疫を抑制します。

米国の癌研究所Memorial Sloan KetteringのSamuel Bakhoum氏等のチームによる今回の研究の結果、癌細胞からENPP1を奪うと転移が減り、腫瘍への免疫侵攻が復活し、免疫チェックポイント阻害の効果が上向くと分かりました。

逆にENPP1を増やすとcGAMP分解で生じる免疫抑制成分アデノシンが増えて転移が盛んになり、抗癌免疫治療が効かなくなります。

人の癌を調べたところENPP1発現が多いことと抗PD1/PD-L1治療がより効き難いことが関連しました。

研究を率いたBakhoum氏等が設立した企業は抗PD1/PD-L1などの抗癌免疫薬の効果を高めうるENPP1阻害剤の開発に取り組んでおり、1年以内に第1相試験を始めることを目指しています。

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