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バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。
[記事] 「Sirtris社化合物のSIRT1活性化作用は実験上の人為産物らしい」へのコメント
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たとえSirtris社化合物にSIRT1の直接的活性化作用はなくても期待される薬効があるのならまだ救いがありますが、Pfizer研究者の追試に基づくとその救いも期待できそうにありません。
Pfizerの研究者によると、Sirtris社化合物のSIRT1活性化作用は非天然のフルオロフォア含有ペプチドを用いた試験でのみ評価されていました。
そこで今回Pfizer社の研究者は天然ペプチド基質を使ってSIRT1活性化を評価して否定的な結果を得たわけですが、危うさを孕んだ非天然基質実験の結果が検証されないままSirtris社のIPOや買収を成功させてしまったという今回の事例から多くのことを学べそうです。
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しかしいくつかの謎がまだのこっています。
ひとつは2005年シンクレアが彼のメンターであるレニーガランテ(現MIT)と共同で行ったイーストを用いた発見がどのようにして行われたかです。どうして活性があるという結論が導き出されたのでしょう。シンクレアがこの発見をして発表したとき、ガランテのかつてのポスドクでこのプロジェクトに関わった人たちは疑問を表明し多くの議論がなされました。そんなわけで、NY タイムスやウオールストリートジャーナルがシンクレアのセンセーショナルな発見とそれに基づくSIRTRISというベンチャーの設立を華々しく報じたとき、彼の多くの友人たちはシンクレアを信じていましたが、ボストンのアカデミアには批判がかなりあったのも事実なのです。
今回ハーバード大もこの問題を正式に調査することを発表しています。もし今回の説明のつかない矛盾に関してシンクレアがなんらかの形で関わってっていたとすれば、大変なスキャンダルになるでしょう。
投資家の間ではGSKが買収に支払った金をとりもどすためSIRTRISの経営者とシンクレアを告訴するのではないかとみています。
もうひとつの謎はシンクレアが何度となく行った動物実験による薬効結果が、彼自身のラボではなくいくつかのコントラクトラボで実施されていたということです。このラボは私もよくつかっている信頼できるラボです。どうやって有意差のある薬効が第3者によって得られたのでしょう。
皮肉なことに、JBCの今月号にファイザーが行ったSIRTRIS化合物の検証実験結果が出ています。それは今回の矛盾を裏付けるものになっています。PFYZERはGSKよりも前にSIRTRISを買収すべきDUE DILIGENCEを行いました。すでに再現性のなさに気がついていたからこそ手をひいたのかもしれません。
この謎から今後も目が話せませんが。このままいくと、バイオテックが示した虚偽のデータを土台にして製薬会社が買収を行った最初の例になるかもしれません。
小野
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Sirtris社化合物のSIRT1活性化作用は実験上の人為産物らしい