Novartis社 多発性硬化症治療薬候補・FTY720の長期の有効性を確認
Free!2006年9月28日、Novartis Pharmaceuticals社は、様々なタイプの再発性多発性硬化症(various relapsing forms of multiple sclerosis)患者を対象にした第2相試験においてFTY720 (fingolimod、フィンゴリモド) の長期間(2.5年間)のベネフィットが確認できたと発表しました。
第2相試験の新たなデータから、FTY720を1日1回経口服用した患者の77%は2年以上再発フリーの状態でいられるという結果が得られました。
またMRIによる評価から、炎症疾患が低率で維持されていることも確認されました。FTY720を服用している80%以上の患者において活動性炎症は認められませんでした。
この試験結果は、スペインのマドリッドでのEuropean Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis (ECTRIMS) で発表されました。
現在、18歳から55歳の再発性多発性硬化症患者2000人以上を対象にしたFREEDOMS (FTY720 Research Evaluating Effects of Daily Oral therapy in Multiple Sclerosis)というFTY720の第3相試験が進行中です。
FTY720は初の経口スフィンゴシン1-リン酸受容体(sphingosine-1-phosphate receptor、S1P-R)モジュレーターです。循環中のリンパ球上のS1P-Rに結合し、これらのリンパ球の一部をリンパ節に可逆的にトラップします。この作用により、中枢や血流における活動性T細胞の数を減らします。
Novartis社はFTY720を三菱ウェルファーマ社からライセンスしました。
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