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微小管を安定化するパクリタキセルは強皮症の治療薬として有望

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2005-11-10 | コメント

全身性硬化症(または強皮症)は過度の線維化と閉塞性血管病変を特徴とする疾患です。


これまで、異常なTGFβ活性が全身性硬化症の病理に関係すると考えられてきました。

TGFβはTGFβ受容体を活性化し、活性化したTGFβ受容体はR-Smad蛋白質ファミリーを刺激します。R-Smadは、TGFβシグナリングを更に亢進させたり、逆にTGFβシグナル伝達を阻害したりします。

そして、微小管はTGFβ受容体へのR-Smadのアクセスと活性化を調節しています。

したがって、微小管を安定化するパクリタキセル(Paclitaxel)は異常化したTGFβ/Smadシグナリングを矯正できる可能性があります。

これまで、全身性硬化症の適切な動物モデルは存在しませんでした。このたびデューク大学の研究者等によって、全身性硬化症患者の皮膚を免疫不全マウスに移植するという方法が開発されました。この方法だと、マウスの免疫系の干渉を受けることなく、患者の皮膚サンプルに対する様々な治療法(干渉)の影響を確かめることが出来ます。

このマウスモデルを用いた実験の結果、パクリタキセルは2種類のSmad蛋白質・Smad2とSmad3の活性化とコラーゲン沈着を抑制しました。また、全身性硬化症患者の皮膚を移植すると、パクリタキセル投与の有無に関わらず新規血管の形成が亢進しました。この結果から、パクリタキセルは全身性硬化症の血管新生に影響を与えないと考えられました。

以上の結果から、さらなる試験が必要ではあるにしても、パクリタキセルは強皮症の治療薬として開発を進める価値があると考えられました。

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