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抗HIV治療薬・Emtrivaを開発した研究者がアトランタに5つ目の会社を設立

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2005-08-11 | コメント

抗HIV治療薬・Emtrivaの研究でEmory Universityに5億2500万ドルのロイヤリティー収入をもたらしたAIDS研究者が、ロイヤリティー収入を基にして、新しいバイオサイエンス会社をジョージア州アトランタに設立しようとしています。


5億2500万ドルのうち60%はEmory Universityのものですが、
残りの40%、2億1000万ドルはEmtrivaを開発した3人の研究者・Raymond F. Schinazi, Dennis Liotta, Woo-Baeg Choiに還元されます。Schinazi氏は1200万ドルを投じてHIVとC型肝炎ウイルスにフォーカスしたバイオベンチャー・RFS Pharma LLCを設立する予定です。

Schinazi氏は、RFS Pharmaの前にPharmassetという会社をすでに設立しています。Pharmasset社は最近ジョージア州Tuckerからニュージャージー州Princetonに本社を移転すると発表しました。

ジョージア州が、バイオベンチャーの誘致や育成で困難に直面していることを物語る出来事の一つです。Pharmasset社は、より有能な社員が獲得しやすい環境を求めて本社移転を決めたと説明しています。

また、Pharmasset社はNew JerseyのNew Jersey Economic Development Authorityから本社移転費用として170万ドルの助成金を得ることが決定しています。

Pharmasset社のファイナンス部の副社長・Alan Roemer氏は「アトランタには大学コミュニティー、CDCやその他バイオベンチャーをサポートする組織があり、設立間もない頃のPharmasset社が成長するには良いところだった」と語っています。

Pharmasset社がジョージア州を離れていくことは、アトランタ都市圏のバイオサイエンス育成支援組織にとっては痛手となっています。Pharmasset社はアトランタ都市圏で生まれ、サクセスストーリーとして注目を集めていたからです。

Schinazi氏は、1998年にPharmasset社を設立してから今年6月までディレクターとしてPharmasset社を支えてきました。

「Pharmasset社は私の子供みたいなものであり、Pharmasset社がジョージア州を離れていくということは、まるで二度と帰ってこない子供を見送るようなものだ。私はPharmasset社がアトランタに残るように必死で説得したよ。だってPharmasset社は私の夢なんだからね」とSchinazi氏は語っています。

Pharmasset社はあきらめて、Schinazi氏はすでに別の夢の実現に向かっています。すでにRFS Pharmaに加わる2人のドクターを確保しました。来年には社員15人を集めたいと考えています。

Schinazi氏はPharmasset社の「良い人員を確保するため」という言い分を批判しています。移動に伴い、Pharmasset社は社員10人を失います。彼等はプリンストンへの移動が要請されましたが、アトランタを離れたくなかったのです。有能な人員を確保するためにプリンストンに本社を移転することで、有能な人員10人が辞めていくとはなんとも皮肉な話です。

これまでPharmasset社はアトランタ大学のサポートを受けて成長してきましたが、プリンストンではプリンストン大学が開発した研究パークに本社を構えます。支援組織が変わってもこれまで通り成長していけるのか?Pharmasset社にとっての大きな挑戦の一つです。

Emory Universityの技術移転部門の部長補佐・Todd Sherer氏は「Pharmasset社が出て行く事は痛手だけど、Pharmasset社の成功はEmory Universityの技術が優れていること、Atlantaが素晴らしい会社を育成する能力があることの証明になっている」とPharmasset社の本社移転についてコメントしています。

Sherer氏をはじめとして、バイオベンチャーにとってジョージア州が魅力ある土地となるよう努力している人は数多くいます。

Metro Atlanta Chamber of Commerceのsenior vice president・Hans Gant氏いわく「失うものもあれば、勝ち得たものもある。1年前と比べてバイオベンチャーが20以上アトランタで増えたことは良いニュースだね」。

RFS Pharmaはアトランタ発の最新バイオベンチャーです。Schinazi氏はRFS Pharmaで5つの会社を設立したことになります。ボストンやダーハム等の都市での会社設立経験があるSchinazi氏いわく「アトランタに会社を設立することに全く迷いはなかったよ」。

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