小学校入学前の注意欠陥多動性障害児童を対象にしたメチルフェニデートの試験(PATS)の結果が発表された
Free!3-5.5歳の注意欠陥多動性障害小児を対象にしたメチルフェニデート(Methylphenidate)の臨床試験・Preschool ADHD Treatment Study (PATS) の結果が発表されています。
いくつかの報告が発表されています。Greenhill L等は、学齢児童におけるデータと比べてエフェクトサイズ(0.4-0.8)は小さいものの、2.5, 5, 7.5-mgの即効型メチルフェニデートの1日3回投与はプラセボに比べてADHD症状を有意に低下させるという結果が得られたことを報告しています。
Wigal T等は、PATS試験におけるメチルフェニデートの安全性と忍容性について報告しています。メチルフェニデートの忍容不能な有害事象によって11%の被験者が試験脱落したことを報告しています。メチルフェニデートと関連があると考えられる重症の有害事象が1件認められました。
また、Swanson J等は、PATS試験開始前と開始後の小児の成長に関する結果を報告しています。この報告から、メチルフェニデートの使用で成長速度が低下すると示唆されました。
McGough J等はメチルフェニデートの反応性に関する薬理遺伝学の成果を発表しています。一次解析では有意な遺伝子効果は示唆されませんでしたが、2次的な解析によりドパミン受容体の遺伝子変異とメチルフェニデートの効果に関連が認められました。
Kollins S等は、PATSの根拠、デザイン、方法について解説しています。
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