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匂い受容体をターゲットにした除虫剤の開発

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2005-02-24 | コメント

匂いの帝王・ルカ・トゥリンは、分子の振動を受容することでヒトは匂いを認識しているという「嗅覚の分子振動説」を提唱しました。この分子振動説を否定する試験結果を2004年3月のNat Neurosci誌に発表したRockefeller大学のLeslie Vosshall等が、昆虫の匂い受容体の進化や機能に関する総説を2005年2月22日のCurr Biol誌に発表しています。昆虫の匂い受容体を阻害する薬剤は、自然環境により害が少ない除虫剤の開発に応用されていくでしょう。


Vosshall LBが率いる研究グループは、ショウジョウバエの62種類の匂い受容体遺伝子のうち、Or83bという遺伝子がショウジョウバエの匂い受容において必須の役割を担っていることを発見し、その研究成果を2004年9月のNeuron誌に発表しました(Neuron. 2004 Sep 2;43(5):703-14)。この実験で、Vosshall LB等はOr83bを欠いたショウジョウバエは多くの匂いを嗅げなくなることを示しました。さらにOr83bが変異すると、残りの61種類の匂い受容体が樹状突起に適切に配置されなくなることを突き止めます。すなわちOr83bは匂い受容体全体を統合するような役割を担っていると考えられました。

また、これまでの研究からOr83bは種を超えて保存されていることが示唆されています。したがって、Or83bを阻害する薬剤は、ショウジョウバエに限らず様々な害虫を駆除できる効果の高い除虫剤として有望です。

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