Novartis社 レトロゾールはタモキシフェン治療後の乳癌の再発抑制効果あり
Free!乳癌治療後にtamoxifenの治療を5年間受けた閉経後女性5187人を対象にした5年間のプラセボ対照二重盲検試験の中間解析(2.4年)の結果から「エストロゲン(estrogen)生成抑制剤・letrozole(アロマターゼ阻害剤)はプラセボに比べて乳癌の再発率を約半分に抑える効果がある」とわかりました。
研究成果が2003年10月9日のNEJM誌オンラインバージョンに発表されています。
5187人のうちletrozole服用群での乳癌再発患者は75人、プラセボでは132人であり、4年間の予想乳癌非再発率はletrozoleで93%、プラセボで87%でした。
letrozoleで多かった副作用はほてり、関節炎、関節痛(arthralgia)、筋肉痛でした。エストロゲンが少なくなると骨粗鬆症のリスクが高くなる危険がありますが、letrozoleでの骨粗鬆症発現率は5.8%、プラセボでは4.5%でした。有意差はついていないものの、若干letrozoleで高い傾向がありました。
中間解析で完全にletrozoleの有効性が示せたため、非盲検下での試験は終了し、現在は試験に参加したすべての人にletrozoleが投与されているとのことです。
今後はletrozoleの生存期間延長効果や、骨粗鬆症発現率が長期間使用で上昇しないことなどを確かめていく必要があります。
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