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T細胞を介した免疫の阻害因子・B7-H4は腎細胞癌の予後因子として有用

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2006-07-01 | コメント

T細胞を介した免疫の阻害因子と考えられているB7-H4の発現は、通常はリンパ球に局在しています。しかし、いくつかの腫瘍でB7-H4の異常発現が報告されています。ただし、B7-H4と癌患者の臨床転帰の関連は不明でした。

2006年6月23日のPNAS誌に、腎細胞癌でのB7-H4の発現とその患者の転帰の相関を調べた研究成果が報告されています。

この研究では、2000-2003年に腎摘出術を受けた腎細胞癌患者259人の腫瘍サンプルでのB7-H4発現と臨床転帰の相関を調べました。

検査の結果、腫瘍サンプルの59.1%でB7-H4染色が認められ、腫瘍細胞でのB7-H4の発現と有害な臨床・病理所見が相関しました。

また、腫瘍でB7-H4が発現している腎細胞患者は、B7-H4が発現していない腎細胞がん患者に比べて腎細胞癌で死亡するリスクが3.05倍高いと分かりました。

さらに、81.5%の腫瘍では血管内皮でB7-H4の発現が認められました。一方、腫瘍に隣接した腎臓組織において、内皮のB7-H4染色が認められたの血管の割合は僅かに6.5%でした。

以上の結果から、B7-H4は腎細胞癌の予後因子として有用と考えられました。また、B7-H4をターゲットにすることで、腫瘍や新生血管への免疫治療の効果を高めうると考えられました。

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