ミエリン蛋白質PLP1抑制薬でマウスのペリツェウス・メルツバッハー病が解消
Free!神経線維を包むミエリンの主成分の一つプロテオリピドタンパク質1(PLP1)の変異は主に男児が被る稀な脳/脊髄疾患・ペリツェウスメルツバッハー病(PMD)の病変・ミエリン形成不全や神経機能欠損を引き起こします。
しかしPLP1を完全に失ったマウスやヒトは比較的軽症であり、PLP1抑制はどうやらPMDの治療効果があると予想されていました。
Ionis社やCase Western Reserve Universityの研究チームがPMDを模すマウスのPLP1をCRISPR-Cas9手法で抑制したところどうやらその予想は正しく、ミエリン形成が増えて神経伝導速度や運動機能が改善し、生存が正常化しました。
続いてIonis社のおはこの創薬技術の出番となり、脳脊髄のPLP1を隈なく減らすアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)が見つかり、PMDマウスへの1回のPLP1標的ASO投与でミエリン形成細胞・オリゴデンドロサイト数が回復し、ミエリン形成が増え、運動機能が改善し、生存が延長しました。
今回の研究で確立した神経系のミエリン生成細胞へのASO投与は多発性硬化症(MS)などの他のミエリン形成細胞欠損疾患の治療法ともなりうると著者は言っています。
2020-05-21|多発性硬化症
+ Oscine社が開発している前駆グリア細胞の移植でマウスの多発性硬化症が改善
2020-03-26|多発性硬化症
+ Novartisに先を越されたBMSの多発性硬化症薬ZEPOSIAを米国FDAが承認
2020-02-09|多発性硬化症
+ メチオニン制限で多発性硬化症等の炎症/自己免疫疾患の発症/進行を食い止めうる
2019-12-18|多発性硬化症
+ お金の管理が苦手な多発性硬化症患者は遂行機能が弱く、うつ症状がより酷い
2019-12-18|多発性硬化症
+ 免疫細胞のβ2アドレナリン受容体伝達が多発性硬化症を模すマウスの発症を防ぐ
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。