Serono社、Pfizer社と多発性硬化症の薬Rebifの販売提携
Free!2002年7月11日、スイスに本社をおくバイオベンチャー・Serono社(SRA)は、アメリカ国内で、多発性硬化症の治療薬・Rebif(interferon beta 1-a)をPfizer社(PFE)と共同で販売していくと発表しました(2002年7月11日プレスリリース)。
この販売提携に伴い、Serono社はPfizer社から2億ドルの提携料を取得する予定です。今後マーケティング費用やRebifの開発費用などを折半します。また、売上に応じてPfizer社から達成報奨金を受け取る予定です。
interferon beta 1-aは、Rebifの他にも、マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くBiogen社(BGEN)からAvonexという製品名で、Rebifと同じ多発性硬化症の薬として発売されています。RebifとAvonexはinterferon beta 1-aの含量が異なります。Rebifの方が濃くて、Avonexの方が薄くなっています。
Rebifは最近までヨーロッパでしか販売されていませんでした。一方Avonexの方は主にアメリカ国内で販売されてきました。最近、Serono社が、両薬剤を比較する臨床試験を実施したところ、Rebifの方が多発性硬化症の治療に関してより有効な薬剤であるという結果がでました。この結果をFDAに提出して、晴れてRebifのアメリカ国内での販売が今年(2002年)3月7日に認められたのです。
今後はPfizer社・Serono社連合VSBiogen社の戦いとなります。少しBiogen社の方が不利かもしれません。
多発性硬化症は、脳の神経細胞の鞘・ミエリン細胞が自分の免疫細胞に破壊されることによっておきる自己免疫疾患の一つです。
2020-07-03|多発性硬化症
+ ミエリン蛋白質PLP1抑制薬でマウスのペリツェウス・メルツバッハー病が解消
2020-05-21|多発性硬化症
+ Oscine社が開発している前駆グリア細胞の移植でマウスの多発性硬化症が改善
2020-03-26|多発性硬化症
+ Novartisに先を越されたBMSの多発性硬化症薬ZEPOSIAを米国FDAが承認
2020-02-09|多発性硬化症
+ メチオニン制限で多発性硬化症等の炎症/自己免疫疾患の発症/進行を食い止めうる
2019-12-18|多発性硬化症
+ お金の管理が苦手な多発性硬化症患者は遂行機能が弱く、うつ症状がより酷い
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。