アルツハイマー病患者を対象にしたNGF分泌線維芽細胞の脳内移植第1相試験で良好な結果が得られた
Free!アルツハイマー病では、コリン作動性ニューロンの脱落が認められます。動物モデルにおいて、神経成長因子(Nerve growth factor、NGF)はコリン作動性や記憶を機能を改善し、コリン作動性神経の脱落を抑制することが確認されています。
動物実験の結果をうけて、軽度アルツハイマー病患者8人を対象にして、ヒトNGFを分泌するように改良した自分の線維芽細胞を脳に移植する第1相試験が2001年に始まりました。
この試験の22ヶ月時点のデータが発表されています。
8人中、最初に手術をうけた2人は手術時に脳出血をおこしたため試験から脱落しています。この2例の後には手術方法を改良し、続く6例では手術が成功しています。今回は、この6例の22ヶ月時点のデータが発表されました。
認知機能検査の結果から、NGF産生細胞の脳内移植手術により、認知機能悪化スピードの緩和が認められました。また、長期間続く副作用も起きていないとのことです。

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A phase 1 clinical trial of nerve growth factor gene therapy for Alzheimer disease. Nature Medicine. Published online: 24 April 2005; | doi:10.1038/nm1239
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