Schering-Plough社 中止したCCR5受容体アンタゴニスト・vicrivirocの第2相試験の考察結果を発表
Free!2006年2月10日、Schering-Plough社は、去年10月に中止したCCR5受容体アンタゴニスト・vicrivirocの第2相試験の考察結果を第13回Conference on Retroviruses and Opportunistic Infectionsで発表しました。
この第2相試験は、未治療のHIV感染患者を対象にして実施されました。標準的な抗HIV薬とvicrivirocを服用している患者において血中HIVレベルの急激な上昇が認められたことから、この第2相試験は去年の10月に中止されました。コントロール群ではvicriviroc服用群のようなHIVレベルの上昇は認められませんでした。
vicrivirocでHIVレベルが上昇した原因の一つとして、vicriviroc投与に伴うHIVの向性の変化(R5ウイルスがdual mixedへシフト)が想定されました。向性の変化は薬剤の効果消失や薬剤耐性をもたらします。
しかし解析の結果、向性の変化は稀にしか認められませんでしたし、コントロール群を含む被験者群全体で向性の変化が認められました。
この解析結果から、向性の変化はvicriviroc治療でのHIVレベル上昇の原因ではないと考えられました。
Schering-Plough社は今後、vicrivirocの至適用量とvicrivirocの最適なバックグラウンド治療を検討していくとのことです。
治療経験のあるHIV感染患者を対象にしたvicrivirocの臨床試験は現在も進行中です。
2020-10-01|HIV/後天性免疫不全症候群
+ HIV治癒を達成した”ベルリンの患者”Timothy Ray Brown氏が白血病再発で死亡
2020-05-18|HIV/後天性免疫不全症候群
+ HIVの長い5′末端反復が発現を強いるT細胞遺伝子がHIVの居座りに寄与してそう
2020-05-11|HIV/後天性免疫不全症候群
+ HIV患者の幹細胞移植後束の間のT細胞活性化亢進時にHIV再潜伏の種ができ易い
2020-04-24|HIV/後天性免疫不全症候群
+ 翻訳されずHIV粒子に詰まれるRNA構造が5’末端のグアノシン1つで出来上がる
2020-03-29|HIV/後天性免疫不全症候群
+ 多剤耐性患者のHIVがViiV社のgp120結合薬fostemsavir(フォステムサビル)で減少
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。