【レポート】FDA・EMEA・製薬企業情報(Vol.1 No.7)
- 2007-07-17 - 2007年7月9日〜7月15日までの製薬業界、FDA、EMEAの主要な動きをまとめています。以下に目次と入手方法をお知らせします。 (12 段落, 529 文字)
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癌ワクチンの研究開発に携わる者として、今回、世界初の樹状細胞ワクチンが承認されたというニュースは注目でした。てっきり、米国Dendrion社が開発している前立腺癌治療用の樹状細胞ワクチンが世界初となるものと考えておりましたが、少し驚いた次第です。しかしいずれにしろ、今回のDCVax-Brainが癌ワクチンという新しいタイプの癌治療薬が世に認知され、浸透していく先駆けとなることを期待します。
また、今回のDCVax-Brainは欧米二極で開発されているものと推察しますが、なぜスイスで承認が先行したのか、製造や輸送が難しいオーダーメイドの癌ワクチンなのにグローバルに開発が展開できるものなのか、この記事についての興味は尽きません。また続報を入手されたら、情報をご提供いただけると幸甚です。
自分が面白いなと思ったのは、RNAiに関する企業の動きですね。実際にこれほどスピードが速いと、日本の企業が次はどのように動くのか大いに興味をもちました。
また、癌治療ワクチンも臨床の立場からは、スイスでの開始となったことについて知りたいでしょうし、このような動きに対して日本の規制当局や製薬協などはどう考えるか?また聞いてみたいと思いました。
また、次号も楽しみにしております。
さて、いつも素晴らしい情報を有難うございます。羽石様の多方面に渡る情報収集力には脱帽です。
丁度昨日、RNAiの話題が出、学ばねば...と思っていた矢先でしたので、RNAi研究に関する記事を重点的に読ませて頂きました。
追伸.
モバイルを持っての出張が許されないときもあるため、提出期限をもう少し延ばして頂けませんでしょうか?ご検討頂けたら幸いです
PPKガイドラインの件、PPD、PK/PD試験にも原則適用される、ということで非常に興味深く読ませていただきました。USとEUでは似て非なるところもある、のは時々仕事をしていて感じることです。今回の場合、どちらが「申請する側」にとってやりやすいのかは単純にはいえませんが。薬剤の特徴により、解析手法は多様であるほうが理にかなっているようにも思います。
こういう新技術は,break throughするまでが大困難だと思いますが,ビジネス関係なく,未来のために成功を願います。
中でもRNAiの記事を興味深く拝見しました。薬効、動態(DDS)とクリアーして、今後はシステミック投与の可否と臨床での安全性の担保が重要になってくるのではないかと感じます。動物レベルではmiRNAとの相互作用による障害も報告されているようなので注視していきたいと思います。
僅か20残基のアンチセンス製剤で病気が治ってしまったら、まさに夢の万能薬ではないでしょうか。製剤やコストに問題があるように思えますが、アンチセンスの製造機械は一つで、配列さえ変えればどんなアンチセンス製剤も出来るし、製剤に関しても例え皮下注でも月1回ならコンプライアンス上でも問題にならないでしょう。選択性に由来するような副作用は無いだろうし、生体成分とほぼ同じ核酸のポリマーだから他の副作用も無いように思える。私が現役の時代に、現存の薬がアンチセンス製剤にスイッチしてしまうとは考えないが、大手の会社が、こぞって提携を進めている記事を読むと、思ったよりその時が来るのが、早いのかもしれない。ポケベルが、携帯電話にあっというまに消し去られたように・・・
PPKでは当たり前のように実施されていることでも、素人にとっては疑問に思うことも多いように思います。PPKは今後の臨床試験においてますます重要度の増してくる解析方法だと思いますので、ガイドラインが策定されたことは大きな意味を持つことだと思われます。また、感想にも書かれていたように、欧米間の考え方の違いは興味深いですね。
癌ワクチンについても今後が期待できる領域であり、興味を持ちました。「化学療法と異なり消耗性の副作用は認められていない」のであれば、たとえ生存率に対する影響が同じだったとしても、患者にとっては大きな福音であろうと考えます。
これからの薬剤は、生命にかかわる疾病の治療とともに、QOLにも配慮した治療が求められることになっていくでしょう。
予断ですが・・・
本レポートは、ぜひ、めを通しておきたいとの思いから早期無料購読にて読ませてもらっています。しかし、毎週購読して感想を書いていると、なんだか授業を受けた生徒がレポート提出を求められている気分になってきました(笑)。
それでも、また読むのを楽しみにしておりますので、今後ともよろしくお願いします。
RNAiへの関心の高さが金額に現れているなあと感じました。今後はどう入れるか、が勝負でしょうが、その過程で得られた知見は低分子薬開発などにも役立っていくのでしょう。今後の発展を注視したいですね。
すでに他の方もコメントされていますが、EU諸国の個々の規制とEMEAの規制の関係が気になるところです。また、米国の会社がなぜEMEA(ヨーロッパ全体での販売)よりスイスを選択したのかも気になるところです(ひょっとして規制が緩いから?)。
FDA、EMEAと比較して日本の規制当局の活動は残念だとしか言えません。先日の講習会での某スピーカーの発言ではありませんが、日本の当局は何がスタンダードな審査基準なのかを示すことができていません。少しは思い切った方策を取って、創薬や治験の活性化を目指せばいいと思うんですけどね。
アンチセンス・アプタマーとあまりぱっとしなかった核酸医薬分野で花開くことができるのか動向が気になります。(実際には全身性への投与による疾患で有効性を示せるかが本当の勝負どころだとは重いますが。)。
それにしても、今回の提携の金額の高さには驚きです。あまりそちらの方面には詳しくないので、もしかしたら妥当な額なのかもしれませんが、「バブル」時期を連想してしまいます。実のないところで、周りが踊らされているという結果にだけはならないように願ってます。
RNAiを利用した遺伝子治療や脳ワクチンなど、先端医療が欧米では実際に動いていることの実感と、日本へはいつ?という思いを抱きました。
RNAiは細胞に入れさえすれば、転写因子レベルでの調節が可能で面白いのですが、低分子と違って体内での安定性やバイオアベイラビリティが低く、ボトルネックになっています。アンチセンスDNAよりサイレンシング効率がより高いとされ、DDS開発とターゲット疾患の選定に衆目が集まっていますが、、、。
一方、小児に適した用法・用量が定められていない医薬品が多いのは世の東西を問わず同じなのだと思いました。どちらかというと、海外の方が小児用医薬品の開発もずっと先を行っているような気がしていたので、今の段階でこうした体制が確立されたということが少し意外でした。
なぜなら、欧米でシステムが確立すれば、遠からず日本でも同様のプログラムが進行する、と予想されるからである。
各種のデータが不足している日本で、世界に先駆けて規制当局がモーションをかけたくとも、身動きは取れなかったであろう。私たちも積極的には当局に働きかけてこなかった責任がある。
しかし、日本の製薬メーカーに在籍していて、欧米でしか認可されないような新製品を創出・開発・製造していくことには、忸怩たる思いがある。将来の自分たち、そして日本の子供たちの疾病に寄与してQOLを向上させることができてこそ、日本でこの仕事に従事している意義があるように感じる(やや独善的か?)。
ただ、今の製薬メーカーがブロックバスターモデルに基づいた経済原則に則って事業を展開している間は、独力ではオーダーメイド医療にまで展開できないことも事実(将来は大化けするかもしれないが、今はわからない)。
ニッチの分野は技術が先行し、一方従来の事業評価法ではproduct orientedに主眼が置かれている。欧米大手が始めた囲い込みの価格が妥当なのかどうか、正直よくわからないのが残念(非独占的使用権でも数億ドルの規模になっている)。
何らかの目的を持って情報を収集することは容易になったけれど、それをノイズと振り分けて、必要な情報を分析・統合・評価していくことの難しさを感じた。旧来の手法をold fashionedと切り捨てることは批評家の域を出ていなくて、やはり何とかしたいものである。そういったことを考えさせてくれるreportであった。
RNAiについては、いよいよやってくるなぁ〜というワクワク感がありますね。
よく言われていることですが、RNAi創薬で課題になっているDDSをどうするか、という観点で現在実施されている開発プログラムを見ると、局注や静注剤を狙ったものが多く、慢性疾患への頻回投与に耐えるのかどうか、疑問があります。
一方でRNAi自体の特許もほぼ数社による独占状態で、手を出すにはライセンスへの投資も必要です。さらにはRNA鎖の合成、オフターゲットの問題など、門外漢からはなかなか近寄りがたいフィールドです。こんなことを言っていては乗り遅れるだけかもしれませんが、今のところは成り行きを眺めていようと思っています。
【清宮のコメント】kennさん、コメントありがとうございます。核酸薬は一時的には隆盛するかもしれませんが、低分子化合物が時代遅れになることはないのではないかと思います。
分子間の相互作用を評価するイメージングの技術も劇的に進歩していることから、副作用が少なくてより効果的で選択的な低分子化合物の開発が今後期待できます。
おそらく低分子化合物と生物医薬品は優劣がつくようなものではなく、相補的に発展していく類のものと感じています。
ICHは、米国、欧州、日本の3極が軸となって構成される「医薬品開発の国際ルール作り」であるが、このレポートのタイトルが「FDAとEMEA」であるため、当然ながら、日本当局の動向については触れられていない。しかし、仮に触れたとしても、欧米の動向に先んじるような事はないだろうから、情けないが、FDAとEMEAさえウォッチしておけば、数年後の日本における医薬品開発環境が分かるだろうということで、このレポートは外向きになっているのだろう。
さて、小児用医薬品開発であるが、医薬品開発は、成人から小児へと展開されるのが一般的であり、曖昧であった当局の態度をよりはっきりとさせるということが欧州においても明確に打ち出されたと感じている。次は日本ということになるが、おそらく、FDA寄りのルール作りになるものと思われる。
腫瘍ワクチンは患者にとって朗報であるが、これが「医薬品」としての一定の地位を固めるかどうかは、これからの動向を見極めないと分からない。なぜならば、人の命を救う医薬品といえども、その活動原理は経済の枠内で働いているというのが現実である。医療経済をマクロ的にみれば、どこにどれだけの資金を投入すべきかというのは、かなり難しい。
たとえば、生理活性物質や抗体医薬などのバイオ製品は、素晴らしい効果を発揮しているのは確かであるが、その価格帯の妥当性について問題がないとは言い切れない。そのような面から、腫瘍ワクチンは、その仲間に入るのか、それとも独自の路線を見出すのか、そこを注視したい。なお、この問題を考えるにあたって、製薬企業の妥当な純益率も重要な要素になる。
RNAiに関しては、効果的で効率的なドラッグデリバリーシステムの構築が重要である。RNAiとそのDDS技術の両方を手中に収めるべくメガファーマはこぞって、RNAiベンチャーと提携を組んでいる。しかも、その金額は決して安いものではない(私から見ると、正直言って、荒唐無稽に近い)。本当にペイするかどうかがわからない現時点で、このような提携劇を見ていると、新薬候補品の導入市場の高騰と重なって見える。大企業による寡占形成に最も有効な手段は、将来、ライバルになるかもしれない中小企業を自らの体内に同化させるか、あるいは、その市場から駆逐してしまうことである。RNAi療法も、おそらくそのような道筋を辿るのであろう。これから10年の間に何度目かの製薬企業再編期がきっと来るだろうと感じるニュースである。
注目のRNAi療法の技術ですが、選択性が高く、特異的な治療薬としての注目を集めています。しかし、薬剤として実際に開発してゆくとなると、投与面としての標的細胞への導入の問題がまだ大きいと思います。現在の治療薬などとも異なり、取り扱いも容易ではなく、実現にはまだ先とも言われています。でも、海外メガファーマ等が多く参加していることもあり、以外に早く実現するのかも。
医薬として現在、核酸医薬に光があたっているのは、昔、核酸研究をやっていたものとしては、感慨深いものがあります。
技術的なブレークスルーがあると沈滞していた分野が活性化する良い例だと思います。
化学合成にかかわる者としては、低分子合成医薬にも、ブレークスルーを期待したい、貢献したいと考えております。
今後も新しい核酸医薬に関する最新情報を楽しみにしております。
スイスでの承認区分は医薬品としてだったのでしょうか?スイスの承認審査システム、スイス治療用品庁の役割、さらにはなぜスイスで最初だったかについても説明してただけると助かります。国内でこのような品目の承認取得を考えた場合には、どのような承認の取り方をするのでしょうか?医薬品の範疇ではないと思われますが・・・
RNAi技術については、メガファーマが次々と手を打ってきましたが、日本の大手企業がどの様に見ているか、今後の動向に注目したいです。
RNAiこれだけ大型提携が進むと期待感は高まるが、果たして武田の選択の結果はどうなるのか。目が離せない状況になりつつある。
単純にいわゆる製薬情報だけでなく、抗体医薬、細胞医薬などの情報があるとうれしいと思います(単に開発数が少ないだけと思いますが)
読まなくてはいけないガイダンスは多いですが事前の雰囲気がわかるだけでも助かります。
このようにGRP(Good Review Practice)のひとつとして、日本にはないEMEAの進んでいる点だと思います。
ただ、解説に薬部相互作用の研究とありますが、薬物相互作用の誤りと思いますが、他にもタイプミスがあるのは残念です。
さて,本当に患者に役に立つ次世代医薬品として,大きな花を開くのでしょうか?
EMEAの小児医薬品委員会発足の記事を読み,いよいよ,との感想を持ちました。
(それにしても,大きな話題になってからここまで非常にはやいという印象をもってしまうのですが,実際のところどうなのでしょうか?)
委員会の業務や構成に関しても詳細に記載されていたため,非常に参考になりました。
EUのPPKガイドラインに関する記事は,私のような解析が苦手な人間にもイメージしやすく記載されていたと思います。
ガイダンス本体の前にこの記事を読むことができたので,かなり参考になりました。
脳腫瘍治療ワクチンについては,業務は直接関係ありませんが,個人的に注目しておりました。
Bio Today本体と比較しても十分な情報量であり,大変満足しております。
次号以降も期待しています。
1)EMEAに関する情報は、FDAとセットで論じられており、把握しやすい。グローバルにビジネス展開する弊社には有用な情報です。
2)DCVax-Brai:癌治療ワクチンは、古くから治験がなされているが未だ先進国での上市品はない。患者にとって朗報であるとともに、製薬会社の人間にとっても今回のスイスでの許可の情報はインパクトがあった。欲を言えば、「何故、最初にスイスなのか?」の解説が欲しと思いました。
3)RNAiに関する大型アライアンスのニュースも具体的で分かり易い。