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魚料理はレプチン濃度を下げて心臓病に罹りにくくする

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2002-07-03 | コメント

「魚を食べると、血管に悪影響を与える『レプチン(leptin)』という物質の濃度が低下する」という研究成果が、イタリアの研究者等によって2002年7月1日のCirculation誌に発表されました。

魚を多く食べる人は心臓病に罹り難いということが知られていました。イタリアの研究者等は、その理由を探るためにタンザニアの部族を対象にして魚食が体に与える影響を調べてみました。

彼等が研究対象としたタンザニアの部族は、「湖に面したところに住んで魚を主食とする集団(魚集団)」と「内陸部に住んで野菜や果物を主食とする集団(野菜集団)」の2つに地理的に分かれています。イタリアの研究者等は、これらの「魚集団」と「野菜集団」を比較することで、魚を主食とした生活が体に与える影響を浮かび上がらせることができるに違いないと考えたのです。

279人の魚集団と329の野菜集団を比較した結果、魚集団の血液中の平均レプチン濃度は、男性では2.5ng/mL、女性では5.0ng/mLでした。一方野菜集団の平均レプチン濃度は、男性では11.2 ng/mL、女性では11.8ng/mLとなっていました。すなわち魚集団のレプチン濃度は野菜集団に比べて半分または1/4以下に抑えられていたのです。

レプチンは、食欲を抑えるホルモンです。正常な人では適度に分泌されていますが、肥満になると大量に分泌されるようになります。肥満患者に心臓病が多いのは、このレプチン濃度の上昇が原因の一つと考えられています。

今回紹介した研究結果から、魚は、レプチンの濃度を低下させることで心臓病のリスクを低く抑えていると考えられました。今後は、魚に含まれるどの成分がレプチン濃度を下げるのかが調べられていきます。

△Fish-Rich Diet, Leptin, and Body Mass.Published online before print July 1, 2002
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/01.CIR.0000025241.01418.4D
△Fish-Rich Tribal Diet Linked With Low Leptin Levels
http://www.sciencedaily.com/releases/2002/07/020702070741.htm

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