ジストロフィン糖タンパク質複合体(DGC)の変化が悪液質の初期イベントとして重要な役割を担っている
Free!癌患者のおよそ1/3が悪液質を発現します。しかし、悪液質において骨格筋の消耗が起きるメカニズムは殆ど分かっていません。
マウスでの実験の結果、ジストロフィーの原因となるジストロフィン糖タンパク質複合体(DGC)の変化が悪液質の初期イベントとして重要な役割を担っていると分かりました。
腫瘍マウスの筋肉は、ジストロフィンのレベル低下とDGCタンパク質の糖鎖付加の上昇を伴う膜異常を呈していました。
DGCを欠いた腫瘍ジストロフィーマウスでは筋肉が際立って消耗しました。一方筋肉でのE3ユビキチンリガーゼの誘導が阻害されるジストロフィン遺伝子組み換えマウスでは筋肉の消耗がおきませんでした。
また、胃癌患者において、DGCの調節障害が悪液質の進展と相関していました。
以上の結果から、筋ジストロフィーと同様に、DGCの機能障害は癌によって誘導される消耗に必須の役割を担っていると考えられました。
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