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甲状腺乳頭癌(PTC)におけるマイクロRNAの役割

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2005-12-30 | コメント

甲状腺癌の中で最も多いタイプである甲状腺乳頭癌(PTC)は、以前から遺伝することが分かっていました。重要な細胞伝達システムや遺伝子転座が甲状腺癌で認められることはあっても、甲状腺乳頭癌のなりやすさに直接関連する遺伝子変異は見つかっていませんでした。


PTC患者の腫瘍部分と腫瘍部分に隣接した正常組織の遺伝子発現を比較した結果、腫瘍部分では正常組織に比べて23種類のマイクロRNA(miRNA)の発現が変化していました。

特に、5種類のマイクロRNAの発現状況で、PTCと正常な甲状腺を明白に見分けることが出来ました。

5種類の中でも、3種類のマイクロRNA・miR-146とmiR-221とmiR-222の発現は、正常組織に比べて腫瘍組織で劇的(11-19倍)に発現亢進していました。

また、これらの3種のマイクロRNAの発現亢進が最も強力だった腫瘍では、KIT転写産物とKitタンパク質レベルが顕著に低下しました。これらのケースの10例中5例では、3種のマイクロRNAが結合するKIT遺伝子配列部分に存在する生殖細胞由来の一塩基置換とKIT遺伝子のダウンレギュレーションに関連が認められました。

この結果から、幾つかのマイクロRNAの発現亢進とKIT調節がPTCの病理に関連しており、これらのマイクロRNAがターゲットとする遺伝子配列の変異がマイクロRNAやKITの調節に寄与していると考えられました。

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