タバコ会社の内部資料で分かった悪いマーケティング
Free!Imperial Tobacco Limited (ITL) とBritish-American Tobacco (BAT) が実施した喫煙行動に関する研究の社内資料をレビューした報告がLancet誌に掲載されています。
BATの社内資料には、喫煙者はニコチンレベルを調節するために自分自身の喫煙行動を変化させ、体内吸収量が少ないタバコを吸うときには喫煙回数を増やして埋め合わせをするという研究成果が示されています。
また、BATの研究資料には、人が吸った方が、機械に吸わせたときよりもタールやニコチンの吸収量が増えることが示されています。国の規制部門や消費者に知らされているのは機械での収量です。
製品デザインを通じて、この差を最大限に利用する戦略がBATの内部資料には記載されているとのことです。
特に、標準的な検査プロトコールでは吸引量が少ないものの、人の手に渡るとより喫煙を促し、高濃度のタールとニコチンを喫煙者にもたらす弾性のあるタバコをBATは開発していました。
また、BATは、消費者に対する健康リスクや倫理的な問題が研究者等によって取り沙汰されているにも関わらずこの製品開発戦略をやめようとはしませんでしたし、健康に気を使う喫煙者に対する選択肢の一つとして低タール製品を販売するマーケティング戦略を成功させてきました。
全体として、タバコのテストプロトコールを悪用したマーケティング戦略や、BAT自身の研究で明らかになったBAT製品の毒性を消費者や規制当局から隠そうとする姿勢が社内資料から明らかとなりました。
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