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 ・ 誤字を訂正しました(非小細胞肺癌(NSCLC)癌治療→非小細胞肺癌(NSCLC)治療)。
英国がGSKの骨髄腫薬Blenrepを承認【追記しました】
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チューブを介して脳の血栓部位にtPAを直接投与すると脳卒中の転帰が改善する

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2006-02-18 | コメント

Genentech社の血栓溶解剤・TPAは脳卒中の症状発現3時間以内に使用しなければならないという制約があります。また、使用すれば必ず効くというわけではありませんし、脳出血という重大な副作用が起きることがあります。


tPA使用に付随するこれら3つの問題を回避するために、脚の付け根から脳の血栓部位にチューブを通し、このチューブを介して血栓部位にtPAを直接投与する方法が開発されています。

この方法の有効性・安全性を調べた2つの試験結果がAmerican Stroke Associationの学会で発表されました。

一つ目の試験では、128人のうち1/4で脳卒中の症状が1日以内に劇的に改善しました。また、この治療を受けた患者の90%が生存しました。従来の静注tPA投与での生存率は73%でした。

2つの目の試験では、まずtPAを静注投与し、これが効かなかった患者に対してチューブでのtPA投与を実施しました。また、一部の患者では、tPAを投与するチューブを利用して超音波を発する小さなデバイスを血栓部位に運び、超音波を用いた血栓破壊も試みられました。

この結果、脳内での出血の発現数も2倍に増えたのですが、血栓が溶解した割合も2倍に増えました。

今後更に試験を実施して、静注tPAが効かない患者に対するtPAの直接投与の最適な方法を調べていく予定です。

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