メラトニンは概日リズムから外れた時の睡眠を助ける作用がある
Free!1日を24時間周期ではなく20時間周期ですごした場合に、メラトニンが睡眠にどのような影響を及ぼすかを調べたプラセボ対照二重盲検試験の結果がSleep誌に掲載されています。
この試験には健康な18-30歳の男女36人が参加しました。
被験者は、20時間周期の中の6.67時間の睡眠時間が始まる30分前にメラトニンまたはプラセボ(0.3 mg または 5.0 mg)を服用しました。
研究者等は睡眠中の被験者を睡眠ポリグラフ計で評価し、睡眠効率を測定しました。
この結果、内在性のメラトニン不在時に、プラセボでの睡眠効率は77%でしたが、メラトニン服用時の睡眠効率は83%に改善しました。しかしながら、外因性のメラトニン投与下でのこの睡眠効率は、通常の概日リズムでの夜間、すなわちメラトニンが存在している夜間の睡眠効率・88%を上回るものではありませんでした。
メラトニンは入眠や体温には影響を与えませんでした。メラトニンの効果は試験を通じて維持され、徐波睡眠やREM睡眠の割合にも有意な影響を与えませんでした。
以上の結果から、外因性のメラトニンは、概日リズムにおける夜間に分泌される内因性のメラトニンが存在していない時の睡眠を助ける作用があると考えられました。
今回の結果は、外因性・内因性のメラトニンは、概日系における覚醒促進作用を緩和するという仮説を支持するものとなっています。
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