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脳に選択的なカルニチン・パルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT1)は高脂肪食による肥満の予防効果を有する

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2006-05-03 | コメント

中枢神経での脂肪酸合成は、摂食とエネルギー消費に寄与しています。

脂肪酸合成の中間体であるマロニル補酵素Aがこれらの作用を仲介しています。

マロニル補酵素Aはミトコンドリア外膜に存在しています。マロニル補酵素Aは、ミトコンドリアへの脂肪酸の流入と脂肪酸の酸化を調節しているカルニチン・パルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT1)を阻害します。

肝臓に存在するCPT1aと筋肉に存在するCPT1bと遺伝子配列がよく似ている脳選択的な酵素・CPT1cが最近発見されました。

これら3つのCPT1は全てマロニル補酵素Aに結合します。CPT1aとCPT1bは様々な脂肪アシルCoAからカルニチンへのアシル転移を触媒しています。一方CPT1cはこの作用をしません。

このことから、CPT1cはユニークな機能と活性化メカニズムを有していると示唆されました。

2006年5月1日のPNAS誌に、CPT1cのターゲットノックアウトマウスを用いて、エネルギーホメオスタシスにおけるCPT1cの役割を調べた結果が報告されています。

CPT1cがノックアウトされたマウスは、体重が軽く、摂食量が少なくなっていました。この現象は、エネルギーを感知するマロニル補酵素Aターゲットとしての役割に一致しています。

しかし逆説的に、高脂肪食が与えられたCPT1cノックアウトマウスは、肥満になりやすくなっていました。このことから、CPT1cは高脂肪食による肥満の予防作用を有する考えられました。

また、CPT1cノックアウトマウスは、脂肪酸酸化率が低下していました。これは、食事による肥満傾向上昇に寄与していると考えられました。

これらの結果から、CPT1cはエネルギー恒常性の調節に必要と分かりました。

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